「トランプの娘婿は信用ならない」イランが交渉役として指名した“マトモな思考”を持つ米政府の要人の名前

 

行き詰まる米イラン交渉と「バンス」という突破口

つまりイラン側が言う“一切協議は行われていない”というのはある程度事実だと言えますが、実際には双方が戦争終結のための条件を提示し合い、話し合いの機会を伺っているのも事実です。

ただ、双方が提示している条件は、双方にとって決して受け入れることができない内容であることと、イラン側としてはウィトコフ特使とクシュナー氏が出てくる限りは一切の交渉には応じない姿勢を貫いていますので、何らかの根本的なチェンジが必要となります。

そこでイラン側がアメリカに提示したチェンジの要請が“バンス副大統領をアメリカ側の交渉窓口にする”というものです。

バンス副大統領といえば、通常はトランプ氏の意見に追従し、限りなくタカ派のイメージが強いのですが、今回のイラン攻撃については直前まで強く反対していたと言われており、イラン側としては「トランプ政権内の誰よりも中立的に・包括的に全体像を見ることができるリーダー」とのイメージを抱いているようです。

「4月7日までに停戦を目指す」という“イスラエルメディア”によるトランプ大統領の“意思”表明の信憑性は定かではないですが、国内外で批判が高まるアメリカによる対イラン攻撃と増え続ける民間人の犠牲、そして“親米”アラブ諸国からのアメリカ非難に直面し、トランプ政権が“出口”を探していることは確かなようで、国内外の声を整理してみた時、バンス副大統領の登場を期待する声が固まっていて、“4月7日まで”という期限の実現可能性はともかく、迅速な停戦または小休止(頭を冷やす機会の創出)をもたらすことができるのは、ずっとイランへの攻撃に反対してきたバンス副大統領を前面に押し出すことで、ペースを変え、かつ方向性を変えようという、アメリカ側の意図が見えます。

これに加え、あまり明らかにはならないのですが、バンス副大統領自身、あまりイスラエル寄りというイメージがなく、結果的にはベネズエラ作戦やIS掃討作戦に対する支持を表明するものの、今回のイスラエルと共にイランを攻撃するという作戦にも、またイスラエルがアメリカからの要請を無視して進めるガザへの攻撃やヨルダン川西岸地区への入植地拡大、そしてイスラエルの非人道的な行いに付き合わされているという状況にも明確な反対を突き付けつつ、まだトランプ大統領との関係が悪化していない稀有な存在であるため、国内外からの期待も高まり、イランも事態打開のための最後の砦として期待しているようです。

今、バンス副大統領がアメリカ側を代表するという案と共に、イラン側がアメリカに受け入れを迫っているのが、仲裁役をパキスタンまたはトルコに担ってもらうという案です。

パキスタンについては、サウジアラビアやUAEとの間に核の傘を含む双方防衛協定を結んだこともあり、アラブ諸国とのリンクが強まっており、イランとしては“アラブ諸国との繋ぎ”という別の要素も期待しているのではないかと思いますが、イランとも比較的近く、今回の“戦争”においても中立に近い立場を貫いていることから、アメリカ側も期待を寄せているとされています。

実際に、“停戦の条件”なるものをアメリカもイランも、パキスタン経由で間接的に伝えあっているようです。長年、お世話になっているパキスタンの大使曰く、「詳細については述べることはできないが、双方から連絡が来ていることは事実」とのことです。

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