「トランプの娘婿は信用ならない」イランが交渉役として指名した“マトモな思考”を持つ米政府の要人の名前

 

「核の街攻撃」が示したイランの冷静な抑制と意思表示

そのような中、【イスラエルとイランの歴史的な緊張と今回の本格的な戦争における転換点】として注意すべき(懸念すべき)事件が起きました。

イスラエルの核の街と言われ、イスラエル国内でもその街の存在に触れることがタブーとされてきたディモナに対してイランがミサイル攻撃を加えた事件です。

このディモナの存在はイスラエル人の間ですら語ることはタブー視されてきた核の街ですが、ディモナは実際の核施設(シモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター)からは13キロほど離れている近接市街です。

今回、核施設ではなく、ディモナがイランの持つセジル2と思われる中距離弾道ミサイルで攻撃されたにもかかわらず、イスラエル側の迎撃に合わなかったことにはどのような含みがあるのでしょうか?

1つはイスラエルが誇るアイアン・ドームが空港などの重要施設やテルアビブなどの大都市の防衛に駆り出され、ディモナなどの地方都市には向かなかったのか、またはイスラエルが油断していたか、または防空システムのすきを突かれたのではないかと考えられます。ただ、地元の話によると、攻撃を知らせるサイレンが街に鳴り響いたにもかかわらず、防空ミサイルが発射された形跡がないことから、謎が深まります。

イスラエルが公然の事実とされている核兵器の存在には触れたくなかったのか?それとも、10月7日のハマスによる同時多発テロ事件の時と同様、政府および軍の油断を非難されることを恐れたのか?

2つ目の可能性は、イスラエル側の油断に加え、イラン側の誤射または意図的に外したという見方でしょうか。

ただこれは考えづらく、イランは射程2,500キロで誤射範囲100メートル未満と言われているミサイルを保有しており、かつ噂の核施設は衛星写真でも場所が鮮明に確認できるので、狙っていて外したというのは可能性が低いと思われます。

当該攻撃は数日前にアメリカ軍がバンカーバスター弾を用いてイランのナタンズの核施設を攻撃したことへの“核施設”返しの報復攻撃と見られていますが、直接に攻撃は行わず、核の街ディモナを攻撃することで、イスラエルに対して「核施設があることは知っている。これ以上、イランに手を出すなら、次は施設そのものを狙う」という微妙な脅しをかけているのか、アメリカとイスラエルがイランを糾弾する際に用いる“核兵器の開発および保有を止めろ”という主張を跳ね返し、「不法に核兵器を保有しているのはイスラエルのほうではないか」と、国際社会の目をディモナに向けさせることで、イランなりのjusticeを示したかったのかもしれません。

ただこれで一つ分かったことがあるとすれば、私たちが触れるメディアが伝えている“イランの弱体”や“国内の統制の混乱”などは偽りで、イスラエルのネゲブ原子力センターを狙うことによって起きる可能性が高いイスラエルとの“核を含む”戦争をギリギリのラインで防ぎつつ、イスラエル(とアメリカおよび国際社会全体)に対して明確なメッセージを送ることができるほど、イランには正常な指揮統制能力と機能が維持されており、まだ抑制的かつ冷静な判断ができる体制が維持されていることです。

つまり“死亡説”や“意識不明の重体説”が流れている最高指導者モジタバ・ハメネイ師は何らかの形でイランの現体制の舵を取っており、それをガリバフ国会議長などが支え、革命防衛隊が暴走しないように制御できていることを意味すると理解できます。

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