和平仲介の機運を打ち砕くイスラエルの強硬姿勢
イランがパキスタンと共に仲介を担ってほしい国として挙げているのがトルコです。
トルコについては隣国と言うこともありますが、アラブ諸国とも現在は良好な関係を有し、かつ歴史上、エルドアン大統領がアラブ社会に持つ影響力に期待しているという点と、常に緊張感が漂っているとはいえ、NATOの一員であることで、アメリカや欧州との繋ぎ役も期待しているのではないかと考えます。
エルドアン大統領は常に「和平実現のためにトルコは貢献する用意がある(ロシア・ウクライナ戦争含む)」と発言していますが、果たして忌み嫌うイスラエル絡みの調停を引き受けるかどうかは、個人的な感触ではありますが、未知数です。
ただ、仲介や戦闘停止、調停の話題が頻出するようになってきたということは、アメリカもイランも出口を探している証拠だと考えますが、協議が成立するか否かは、イスラエル次第のようです。
上記の“協議”が成立する最も早いタイミングは来週と言われていますが、それを阻止するためなのか、イスラエルは、トランプ大統領からの“イランの(原子力)発電所および石油関連施設への攻撃を止めよ”という要請(命令)にYESを返したにも関わらず、「これからの48時間で可能な限り、イランのインフラを破壊する必要がある」と対イラン攻撃を激化させる姿勢を示しています。
そして、米国内のユダヤ人組織やpro-Israelの組織を通じて、イランとアメリカの“停戦に向けた協議”を阻もうとする動きを取っているという情報が多数寄せられています。
その背景にあるのは、ネタニエフ首相の個人的かつ政治的な欲望(延命策)を支える“イラン攻撃に対する8割超の支持率(イスラエル)”と、「今こそ、宿敵イランを崩壊させ、イスラエルおよび国民の生存に対する脅威を除去する最大の機会であり、それがまた宿願であり、神に与えられた使命である大イスラエル主義の実現にとって不可欠な機会である」との“独特の”使命感です(なかなか理解不可能なのですが)。
そのためにイスラエルは“イランの脅威”をピックアップして強調し、周辺のアラブ諸国への攻撃も、イランの仕業に偽装してイランとアラブ諸国との分断と敵対を助長させるという工作まで繰り出し、かつ米国に潜伏していると言われている“親イランの反米活動家(lone wolf)”がactivateされて、米国内でテロが起こる危険性があるという情報工作まで行って、アメリカをイランに対する戦争に留めようとしています。
この策にまんまとはまっているのが、“戦争省”を率いるセグセス長官であり、トランプ大統領が“協議”や“停戦”を口にすると、すぐさま「アメリカはイランに対して爆弾で交渉する」と攻撃を止めない旨公言し、政権内の言動不一致を引きおこしていますが、これには“トランプ大統領が敢えてセグセスにハードボイルドな役割を果たさせて、硬軟織り交ぜた圧力をかけている”という見解と、“イスラエルに操られて、言わされている”という見解が存在し、さらなる混乱を国内外にもたらしています(私たちも混乱しています)。
ただアメリカ国民(有権者)の6割強が対イラン戦争に反対しており、「トランプ大統領が掲げるいかなる理由も、今回の攻撃を正当化する理由とはならず、アメリカを世界から孤立させ、アメリカ人を危険にさらしている」という認識が広がっている中、どこまでアメリカ国内の“空気”をひっくり返すことができるかは未知数です。
この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ









