校内暴力全盛期の「80年代」がニッポン敗北の転換点。我が国における“教育の荒廃”が招いた技術力と競争力の大崩壊

 

英語と数学を子どもたちに教え維持すべきだった技術の優位性

今回は、やや「なぐり書き的」な感慨の表明になりましたが、もう一つ、80年代というのは自動車産業が「我が世の春」を謳歌した時代でもありました。同時に、世界から、特にアメリカから「安くて性能が良くて、壊れなく、そして燃費の良い車」を作るのは悪だと散々叩かれた時代でもありました。

勿論、多少は抵抗を試みたものの、政官は屈服して現地生産の立ち上げと、輸出自主規制に踏み込んでいったのでした。何も考えずにでした。そのツケは回り回って、産業と経済の巨大な空洞化となり、更に言えば生産技術の犯罪的な流出につながり、回り回って日本という国の力を根幹から奪っています。

80年代はその意味でも崩壊と敗北の端緒であったのでした。自動車戦争を徹底的に戦えばよかったのだというのではありません。自動車が空洞化してゆくのなら、宇宙航空に行くべきだし、何よりも歯を食いしばって英語と数学を子どもたちに教えて、技術の優位性を維持すべきだったのです。

そうした覚悟や姿勢のないままに、ホイホイと空洞化を進めた結果が、本当に産業競争力がなくなり、世界の市場が理解できなくなり、「軍需頼みに落ちぶれた」のが現在です。豪州に駆逐艦を買ってもらって喜んでいるというのは、世界の21世紀の消費者向けビジネスをヤル気も能力もなくなったからで、それは80年代から現在に至る息の長い「連敗街道」の結果でもあります。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2026年4月21日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。メイン・コンテンツ「USAレポート」の「アメリカ政局の停滞、責任の所在は?」、人気連載「フラッシュバック81」もすぐに読めます。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ

初月無料で読む


初月無料購読ですぐ読める!4月配信済みバックナンバー

※ 2026年4月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、4月分のメルマガがすぐにすべて届きます。
  • 【Vol.635】冷泉彰彦のプリンストン通信  『米政局停滞、責任の所在』(4/21)
  • 【Vol.634】冷泉彰彦のプリンストン通信 『アメリカの方向転換、可能性は』(4/14)
  • 【Vol.633】冷泉彰彦のプリンストン通信 『SPACE X 上場を左右する3要素』(4/7)

いますぐ初月無料購読!

image by: Shutterstock.com

冷泉彰彦この著者の記事一覧

東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 冷泉彰彦のプリンストン通信 』

【著者】 冷泉彰彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 第1~第4火曜日発行予定

print
いま読まれてます

  • 校内暴力全盛期の「80年代」がニッポン敗北の転換点。我が国における“教育の荒廃”が招いた技術力と競争力の大崩壊
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け