日テレ水曜22時枠に潜む深刻な危機。ネトフリに「WBC」も「高購買層」も奪われた地上波が打つ“最後の手”

 

ボリューム層が「こぼれ落ちる」現実

そうではなくて、もしかしたら問題はボリューム層なのかもしれないのです。というのは、ボリューム層の実質購買力がかなり細ってきており「地上波モデル」の対象層から「こぼれ落ちて」来ているのかもしれないのです。つまり、最も大きなボリューム層が、「わざわざ新品の家具は買わない」「お菓子も全国ブランドは買わない」「不動産ディベロッパーなど無縁」という方向に動いているとしたら、もう地上波モデルというのは成立しないのです。

平日昼間の情報番組などを見ていますと、一段と制作費の切り詰めがされているのを感じます。これも同じことで、シニア市場が弱まる中では、平日の昼間という時間帯には、広告による地上波モデルの成立する条件は年々狭まっているのだと思います。

そう考えると、今回の「水曜22時枠に文芸タッチのドラマ」という動きは、全く別の姿に見えてきます。ドラマの質が向上したのでも、視聴者の目が肥えたのでもないのです。この水曜22時枠においても、ボリューム層が地上波モデルから「こぼれ落ち」ているということ、そして「ナショナルブランドの訴求対象が上方に追い詰められている」ということを今回の「冬の・・・」は象徴しているのだと思います。

ということは、この番組の成否という話は、文化現象という切り口ではなく、CX系列さんが虎の子の不動産の換金に動いているという話と同列に考えるしかないのかもしれません。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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