「成功率2割、失敗率8割」は本当か?ウェブ漫画『脳外科医 竹田くん』が暴いた医療現場の“信じがたい現実”

 

医療システムの本質的な課題とは?

ここに関しては、NO BORDER Xfileというチャンネルを見て頂ければわかりやすい。

患者を殺す死神ドクター“竹田くん”の正体─成功率たった2割…量産される医療事故と医療利権の闇【NoBorder X File 019】

断らない在宅医療というキャッチコピーのさくらライフグループ代表・中田医師のインタビューの指摘は以下の通りである。

  • 手術件数が評価基準となり、成功率より「量」が優先されやすい。
  • 賠償は医師賠償責任保険でカバーされるため、病院・医師個人の経済的負担が軽減され、緊張感が緩む。
  • 利権構造(設備購入、病床許可など)も根強く存在し、効率的な医療提供を歪めている可能性。

この「量が質を上回る」構造は、竹田医師の事例に限った話ではない。

医療事故調査制度がスタートした2015年以来、累計の医療事故報告件数は3,000件を超えている。

ただし、これは制度に基づいて報告された数字に過ぎず、実態はさらに多いと考えるのが自然だ。なぜなら報告義務があるのは「予期しない死亡事例」に限られており、後遺障害や重度障害のケースはカウントされない。

氷山の一角、という表現がこれほど適切な場面もそうはない。

構造的な問題はもう一つある。インセンティブの設計だ。

日本の診療報酬制度では、手術の難易度よりも件数が収益に直結しやすい。病院経営の観点から見れば、「安全に手を出さない」より「とにかくオペを回す」方が数字になるケースがある。

竹田医師の勤務先が問題を長期間放置できた背景には、こうした経営上の論理も働いていたのではないかと推測できる。

さらに視野を広げると、医師個人の資質以前に「誰が医師を評価するのか」という問題がある。

現行の仕組みでは、医師の臨床能力は主に所属機関の内部で評価される。つまり、病院が隠したいと思えば隠せる。

第三者による定期的な技術評価制度は存在せず、免許更新も形骸化している。車の運転免許でさえ高齢者には認知機能検査が義務付けられているのに、人の命を扱う医師に同様の仕組みがないのは奇妙というほかない。

僕は施術者として25年、14万件を超えるセッションを重ねてきた。

その経験から言わせてもらうと、「技術」と「倫理」は別物でありながら、深いところでつながっている。

自分の手の感覚に正直であること、クライアントの反応を読み取ること、そして「今日は限界だ」と気づいて止まれること。

それは医療の世界でも変わらないはずだ。問題は、止まれない仕組みの中に人を置いてしまうことにある。

一方で、すべての医師が問題を抱えているわけではない。

熱意ある医師も多く、患者さん自身が「何かおかしい」と感じたときにセカンドオピニオンを求める重要性が強調された。有名度や肩書きに頼らず、信頼できる医師との関係構築が鍵となる。

テレビやネットの露出や書籍出版の数に対して、利権に奪われず、倫理的医師というのは反比例しているな、と感じた。

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