「世襲」とは「男系で受け継ぐこと」だってよ
今回、竹田のカルト教祖ぶりが最高潮に達したのは、「世襲」についての説明だった。 「男系男子にこだわれば世襲も危うくなる」という意見に対して、「世襲というのは、男系によって行われるものだ」などと言い出し、こう説明したのだ。
「『日本国語大辞典』という日本最大の国語辞典があるんですね。 そこで『世襲』と引くと何て書いてあるか、ぜひ知っておいてほしいです。
『世襲』とは、『地位、財産、職業などを嫡系の子孫が代々受け継いでいくこと』。 『嫡系(ちゃくけい)』ですよ。 嫡系というのは、正妻との間で生まれた男子のことなんです」
「女系継承してもそれ、世襲とは言わないですね。 嫡系継承ですからね」
「女系継承だという天皇が出てきても、それは天皇ではないんですね」
はあ?
竹田が自分で引っ張ってきた『日本国語大辞典』には、「世襲」とは「嫡系の“子孫”」が受け継いでいくことと書かれているのであって、「嫡系の“男子”」とも「嫡“男”」とも書かれていなかったという話じゃないか!
それなのに「嫡系の子孫」=「正妻との間で生まれた“男子”」のことだと勝手に性別を付け足して言い換え、「世襲」の意味をすり替えているのである。 こんなペテンに騙される奴なんて、♪なんにも知らない~ネトウヨさ~んだけだと思うが。
「嫡(ちゃく)」とは、正妻、あるいは正妻の産んだ子を意味する。
「側室」の対義語が「嫡室/正室」だ。
『広辞苑』では「嫡」という字の意味を「直系」とも説明している。 男子か女子かの区別はされていない。 『日本国語大辞典』も『字統』も確認したが、いずれも性別による区分けはされていない。
今上陛下の「嫡系の子孫」は、言うまでもなく愛子さまである。 愛子さまにお子さまが生まれれば、その方もまた「嫡系の子孫」である。
政治家の子が父親の選挙区を受け継げば「世襲議員」と呼ばれるが、そこにも男女の区別はない。 田中真紀子は田中角栄の、小渕優子は小渕恵三の「世襲議員」であると誰もが認めているだろう。 家族経営の老舗旅館なども、娘が引き継げば「世襲経営」だ。
竹田は「男子」と言いたいがために「嫡系とは“正妻との間に生まれた男子”のことだ!」と豪語し、そうでない者は天皇ではないとまで言っている。
歴代天皇は、正妻よりも側室との間に生まれた人物のほうが多いという事実を忘れているらしい……。 明治天皇の子などは全員正妻の子ではないわけだが、一体どう整合性をとるのだろう?
言った端からペテンの皮がぼろぼろはがれている状態である。
「フランス王室は側室なしで1000年つづいた」だってよ
竹田の詭弁はまだまだ止まらない。 「側室を廃止した以上、男系限定の継承は危うい」という話に及ぶと、今度はこんなことを言い出した。
「フランス王室って医療技術が未熟だったにも関わらず、側室なしで1000年近く続けてるんですね。 あれは革命で倒されただけで、革命が起きてなかったら、いま王様のはずの人がいるんだから」
とうに消滅した王室にすがるのもどうかと思うが、フランス王室は、王が公妾(公式のめかけ)を持つことは珍しくなかったものの、王位継承権については、確かに「正妻の子」に限定されていた。
だが、そのために何度も王位継承の危機が訪れて、「あそこの兄弟に誰か男子が残っていないのか」「あっちの従兄弟を探して連れてこい」と超遠戚の親戚まで引っ張り出す大騒動が起きていたという歴史的事実を竹田は知らないらしい。
300年以上離れた分家から国王を連れてくることもあり、揉め事がつきもの。 カペー朝、ヴァロワ朝、ブルボン朝と王朝も交代しているし、14世紀から15世紀にかけては、王位継承をめぐって100年以上もの戦争が続いた歴史もある(百年戦争)。
「フランス王室は側室なしで1000年近く続いたんだぞ」とドヤ顔で言ってみたところで、そのうち100年以上は王位を争って何世代にもわたる戦争をしていたのである。
男系固執は、かくも残酷な血塗られた歴史を残している──フランス王室を持ち出すなら、その史実も知っておいたほうがよい。
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