私たちはいつの間にか「時間は効果的に使うもの、管理するもの」という強い固定観念を持つようになった。
手帳を細かく区切り、タスクを分刻みで詰め込み、少しでもムダな時間があると「これを何とかしないと」と思ってしまう。
仕事と仕事のわずかな時間だとしても「何かに使わなければ損だ」という、強迫観念に近いものを感じている人もいる。
これは悪いことではない。しかし、やり過ぎは危険なのだ。
私自身、「時間管理こそが仕事のできる人間の証だ」と信じて疑わなかった。
ルーティーンを作り、分単位で管理する。
それがベストだと思っていた。
しかし、あるとき「なんか虚しいな」といった気分になった。こんなに効率化しているのに、なぜか心がまったく充実しない。
数字は出る。結果もついてくる。
しかし、「今日も良い一日だったな」という実感が味わえなくなっていた。いつも何かに追われているような感じだったのだ。
私はこれまで数多くの人を見てきた。
その中で、長く第一線で活躍し続ける人と、一時期は爆発的に結果を出したものの、途中で燃え尽きてしまう人がいる。
この両者には「時間に対する考え方」に根本的な違いがある。
長く結果を出し続けている人は、やたらと予定を詰め込もうとしない。
むしろ逆で、「一つひとつの行動をじっくりと味わう」といった感じ。
お客様との商談はもちろん、移動中にふと目に入った風景、同僚との雑談、ランチで食べたものなど。
そういった日常の出来事を「なんとなく通り過ぎる」のではない。
「今、この時間を大切に過ごしている」と意識的に感じ取っている。
だから場所にも、おいしいお店にも詳しい。
そういう人ほど結果が安定している。
その一方、「お昼は移動しながら5分で食べている」という人もいる。こういう人は短期的に結果を出せても長続きしない。
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