「毎秒、時間を味わう」と聞くと、「手を抜いて、のんびり仕事をするのかな」といったイメージを持つかもしれない。
そうではない。仕事の手を抜くとか、ダラダラやればいいということでは決してない。
そうではなく、「今、この瞬間に全力で取り組む」ということ。
たとえば、お客様のヒアリングをするとき。
苦戦している営業スタッフは相手の話を聞きながら、頭の中で「次に自分は何を話そうか」ということばかりを考えている。
一方で、売れる営業スタッフは、「今、この人が言っていることを、全身で受け取ろう」という意識で聞いている。
どちらがお客様の本当の悩みに気づきやすいかは言うまでもない。結果として、提案の精度が劇的に上がる。そして何より、お客様との信頼関係が深く、強固なものに変わる。
以前の私は、仕事を終えた後、「今日もなんとかやり切ったな」という疲労感しか残らなかった。充実していたのだが、なぜか虚しかったのだ。
しかし、「毎秒、時間を味わう」と意識するようになってからは変わった。
振り返った時、「今日のあの仕事のこの部分、なんか楽しかったな」というように記憶が残るようになった。
同じ24時間を過ごしていても、心に残る記憶の質がまったく違う。
記憶に残る充実した一日を積み重ねること。これこそが、燃え尽きることのない、豊かなキャリアにつながっていく。
とはいえ、長年「効率よく、タイパを考えて」の世界で生きてきた人もいるだろう。
急に「時間をじっくり味わう」に切り替えるのは難しいかもしれない。
そこで私がおススメするのが、先ほどお話しした「4分割ノート」の活用だ。
毎日、夜にノートを開き、第4領域のエリアに、「今日、自分が一番味わえた瞬間」を何でもいいから書くようにする。
「朝一番のコーヒーがおいしかった」
「商談の後、お客様が笑顔になった」
「帰りの風景がなんかきれいに見えた」
本当に、こんな些細なことで構わない。
書き続けることで、「自分が何を心地よいと感じ、どんな瞬間に充実感を得ているのか」がリアルに見えてくる。
そしてノートを見返すたびに、「ああ、自分の毎日には、ちゃんと良いことがたくさんあるな」と確信できるようになる。
時間をムダに浪費するわけでも、スケジュールをギチギチに詰め込むわけでもない。
結果を出しながら、そのプロセスを存分に味わう。この両立こそが、長く第一線で活躍し続ける人の時間術だ。
4分割ノートの上のスペースに「毎秒、時間を味わう」と書いておく。
これだけであなたの意識は少しずつ変わり始める。明日から毎日がもっと楽しく、もっと深いものに変わるはずだ。
【本日のポイント】
・時間は「管理する」より「味わう」という意識を持つ
・一番大切な言葉をノートに書く
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