ホンマでっか池田教授が警鐘。近いうちにやってくる、子どもの思考力を「AIが奪う」日

 

さて生成AIの話に戻るとして、最近は大学のレポートを生成AIに作ってもらってコピペして提出する学生もいるが、完全コピペのレポートはまともな採点者にはばれる確率が高いと思う。AIは過去のデータからごく一般的で常識的な答えを書く確率が高く、余り面白いレポートにはならないことが多いからだ。AIを使うのならば、これを一次ドラフトとして、自分だけしか知らない経験や、常識的な説には反するが、自分なりの意見を盛り込めば、面白いレポートになる。AIを反省的思考の道具として使うのであれば、効率の面から言っても便利な道具となり得る。

今、圧倒的に進歩しているのは自動翻訳で、100以上の言語に対応していて、文章や音声を入力すると指定の言語に迅速に翻訳してくれる。例えば、日本語から英語に翻訳する場合、英語がある程度できれば、出力された文を読んで気に入らなければ、直すことができる。しかし英語に堪能でないと、誤翻訳に気づかない恐れがあるので、重要な書類(例えば契約書)にはまだ使えないだろう。

音声を多言語に翻訳する技術も日進月歩であるが、話者の癖や方言をどこまで拾ってくれるかという課題があって、現状では入力する言語を標準化する必要がある。ただ、関西弁や東北弁に対応可能なAIも開発されているということなので、そのうち学問や趣味は別にして、商売のために外国語を習う必要は薄れてくるかもしれない。

AIで、一番問題になるのは、AIは時に知ったかぶりをすることである。AIは自分が知っている事(データベースに入っている事)に関しては的確な応答をするが、知らないことに関しては適当なお話をでっちあげて、あたかも真実のように答えるのである。これをハルシネーションと呼ぶ。

試しに、googleのAIモードで、「ギガンテア最期の日々」を調べてみた。これは私がかつて「現代思想」に1990年の1年間、「虫の思想誌」と題して12回連載したうちの9番目のエッセイの題である。「虫の思想誌」は1992年に青土社から『昆虫のパンセ』と改題して出版され、更に、1997年に講談社学術文庫の中の1冊として文庫化された際に、表題を連載時の『虫の思想誌』に戻した。ちなみにギガンテアの和名はオニホソコバネカミキリである。さて、AIにはなんて書いてあるかーーー(『池田清彦のやせ我慢日記』2026年07月24日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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