まさに「茶番劇」の舞台となった7月24日夜の特別委員会
「同日選禁止」要求への与党側の態度がはっきりせず、休憩を宣して採決への流れを押しとどめていた横沢委員長。その停滞を最初に破ったのは、なんと立憲民主党だった。
午後1時半からの野党国対委員長会談。立憲から「副首都法案の採決に応じるべきだ」との見解が示されたのだ。このままでは65日の会期延長になり、見送られたはずの衆院定数削減法案が提出されたら、成立してしまう。そんな理由だった。
むろん、他の野党は納得しない。まず、副首都法案そのものが法律の体をなしていない。副首都をどのような基準で指定するのか、基本方針すらまだ決まっていないのだ。そして、前述の「同日選禁止」に対してもゼロ回答のままである。
その後。国民民主、参政、共産、れいわは変わらず採決に反対の姿勢を堅持したが、公明は「同日選を行わない旨の答弁がとれれば採決を了とする」と表明。立憲に続いて公明が「採決」へと傾いた。
こうした動きを受け、24日夜になって再開された特別委員会は、まさに“茶番劇”の舞台となった。野党の各委員が次々に副首都法案への反対意見を述べると、横沢委員長は淡々とした口調で「他にご意見もないようですから、討論は終結したものと認めます」と述べ、採決を行った。予定通り賛成10、反対9で可決したあとも表情は変わらない。「このさい、徳永さんから発言を求められておりますので、これを許します」。
徳永エリ議員(立憲)は立憲と公明が共同提案したという付帯決議案を朗読した。以下は、7項目のうち「同日選禁止」要求に関係するくだりだ。
「大都市地域における特別区の設置についての住民投票期間と関係市町村及び関係道府県の議会の議員の一般選挙並びに、長の選挙に係る選挙期間とが重複しないように最大限調整する」
どうやら、強制力のない付帯決議に、「重複しないよう最大限調整する」と表現を曖昧にした「同日選禁止」要求を盛り込むことで、舞台裏における与野党の話し合いがまとまったようである。
だが、この付帯決議、実は与党が提案してきたものだ。これなら野党側の顔を立て、維新も納得するだろうという、自民党お得意の玉虫色決着。与野党なれ合いの構図はいまも健在だ。
その後の参院本会議では、投票総数244のうち賛成123、反対121で、副首都法案が成立した。わずか2票差。チームみらい、無所属の一部が賛成にまわったことが決め手となった。
維新の吉村代表は府庁で記者団の取材に応じ、「付帯決議の意思は尊重したいが、同日選をめざすことに変わりはない」と述べた。これもシナリオ通りだろう。
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