米国は衰退確実、中国もトップの座を握れず。各国が“地域覇権”を争う世界で日本に求められる行動とは?

 

軍事ドクトリンを防御から攻撃へ移行させたイラン

トランプ氏は、中間選挙までは原油価格が高騰し、米兵が死ぬと支持が落ちるので、イランへの攻撃を停止し、中間選挙11月3日以降、攻撃を激化させると言う。要するに先送り。選挙の結果、民主党が勝ったとしても、おそらく戦争は終わらない。共和党でも民主党でも同じ結果になる。

この米国の姿勢を見て、イランは軍事ドクトリンを防御から攻撃へ移行させた。イランに差し迫った脅威を特定するたびに、複数の先制攻撃を行うという。

このため、イランはヨルダン内の米軍基地に対して、弾道ミサイルで3回連続の攻撃をしたが、米国は報復の攻撃していない。

次に、イランはオマーン湾にいる米国の原子力空母を攻撃しようと射程約1,200kmのQasem Basir中距離対艦弾道ミサイルを発射した。これに対しては、重大なエスカレーションなので、カーグ付近でイランのタンカー3隻に対して、米軍はミサイル攻撃を行った。

しかし、米国がイランの石油輸出を封鎖し、制裁回避の阻止という経済的締め上げで、イランは、この圧力に耐え続けることが一層難しくなってきていると、イラン政府高官3人が語った。平均的なイランの人々は、生活費の3分の1以下の収入しかないという。

米海軍による封鎖を受け、イランは過去数週間にわたってホルムズ海峡を通じた実質的な原油輸出を実行できていない。この焦りも、防御から攻撃に転換せざるを得ないことになっているようだ。

イランの資金不足で、イランからの現金支給に頼っているヒズボラへの現金供与が滞っていることで、レバノン南部のヒズボラも弱体化して、アル・タヘル丘陵にあるヒズボラの地下施設をイスラエル軍は制圧したという。

その上、オマーンは、ホルムズ海峡を通過する船舶に共同で通行料を課すというイランの提案を拒否。料金は国際法に違反すると述べている。トランプ氏が、オマーンに対して通行料を許可した場合、爆撃すると2度脅迫した効果である。

しかし、米海軍は、中東で深刻な補給問題に直面。約20隻の艦船が、約2万人の水兵と海兵隊員を乗せており、毎週42万食以上の食事と約800万ガロンの燃料を必要としている。

イランがバーレーンにある重要な海軍補給基地を破壊し、他の近隣の港を危険なものにした後、状況ははるかに厳しくなった。補給船は今、ディエゴガルシアまで約2,200マイル、またはそれ以上のシンガポールまで往復しなければならない。

どちらにしても、中間選挙までは、経済も戦争も凍結状態になる。

米国が頼りにならないので、トルコ、サウジ、湾岸諸国などは、パキスタンの核の傘に入ることで、イスラエルからの核攻撃を防ぐ方向で協議している。

トルコはガザのイスラエルの計画にNATO諸国が非難しないなら、NATOからの脱退もすると述べている。イラン戦争後に向けて、中東での秩序体系が変化する方向である。米国のポジションはなくなる。徐々に、米国の世界覇権は崩壊しているようだ。

また、上海協力機構の首脳会議でBRICS諸国は、経済と貿易でG7を上回ったと述べ、グローバルなドル支配を減らすことを目指した。ということで、米国のイラン制裁に協力しないという。

しかし、米国で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は、中国発の経済摩擦を示す「チャイナショック」が最大の争点となった。中国の反対で共同声明は見送られたが、レアアース(希土類)など重要鉱物の規制や輸出依存への警戒は、グローバルサウス(新興・途上国)にも波及。

中国は米欧だけでなく、世界を相手に反論を迫られる苦境に追い込まれた。チャイナショックは、中国の世界貿易機関(WTO)加盟後、安い製品が世界市場に流入し雇用を奪われた現象を指す。近年は電気自動車(EV)や太陽光発電、半導体など先端産業にまで拡大。トランプ関税で米国から締め出された中国製品が第三国へ向かう状況は「第2次ショック」と呼ばれる。

米国の覇権衰退でも、中国の覇権が確立することもないようである。地域毎の覇権を争うことになりそうである。

9月6日朝9時現在の状況であり、非常に早く事態が動くので、X等で事態の推移を追いかけてください。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 米国は衰退確実、中国もトップの座を握れず。各国が“地域覇権”を争う世界で日本に求められる行動とは?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け