【2.どちらが先に動くか-米イラン交渉とホルムズ海峡】
米中首脳会談でイラン情勢が話題になったことは、双方が認めています。ファクトシートは、両首脳がイランに決して核兵器を持たせないことで一致したと記しました。
パデュー駐中国米大使は9月25日、トランプ大統領が習主席に対し、情報や部品、軍事装備を含む中国のイラン支援は「到底容認できない」と伝えたと明らかにしています。同大使は中国側から「そうしていない」との保証を得たとする一方、間接的な支援はあると思うが直接の証拠はないとも認めました。
中国は従来から、イランへの軍事的な支援を否定しています。そして9月30日、中国外交部の郭報道官は、米国とイランの双方に対話へ戻るよう呼び掛けました。
中国は仲介者の顔をしながら、自らの手札は一枚も切っていないように私には見えます。
【2-1.「7日間計画」と、その拒否】
米国とイランの交渉は、この一週間でフォローが困難なほど目まぐるしく動きました。
9月25日、イランのアラグチ外相は国連総会の場で、条件が満たされれば7日以内にホルムズ海峡を再開するという「7日間計画」を公表しました。
その実施条件としてイラン側が挙げたのは、レバノンを含むすべての戦線での停戦、米国による海上封鎖と原油制裁の解除、凍結資産の解放、そして核問題の協議を海峡の再開の後に回すことの四つです。これはあくまでイラン側の提案であり、合意された工程ではありません。
翌26日、トランプ大統領は記者団に対し、この提案を拒否したと明言しました。同じ日、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、トランプ大統領が側近に中間選挙の後に爆撃を再開する意向を伝えたと報じましたが、これは米当局者を情報源とする単独の報道で、確認された事実ではありません。
27日、トランプ大統領は米アクシオスのインタビューで、イランは取引をしたがっているが、それは自分が望む取引ではないと語り、攻撃の再開については「いつも考えている」と答えました。
同じ日、アラグチ外相は米NBCの番組で、イランは戦争にも外交にも同時に備えており、どちらを選ぶかはトランプ大統領次第だと切り返しています。
28日には、カタールの仲介による協議が行われましたが、アクシオスによれば物別れに終わりました。同じ28日、ルビオ国務長官は、ニューヨークに滞在していたアラグチ外相の一行に早期の退去を命じています。アラグチ外相一行は29日の早朝に米国を離れ、帰国の途中に立ち寄ったカタールの首都ドーハで、仲介者を通じて米国の回答を受け取ったと、ロイター通信が関係者の話として伝えました。
30日、イラン政府の報道官は回答の受領を認めましたが、中身は明らかにしていません。
今回確認した公開資料の範囲では、イランが示した四つの条件のいずれかを米国が受け入れたことを示す発表も見当たりません。
「交渉を続けながら、相手の代表団を国外に出す」
「提案を拒否しながら、対案は返す」
硬軟を組み合わせた圧力は、トランプ政権の交渉の定番です。
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