「寝過ぎ」は、かえって毒? 2つの頭痛を同時に引き起こす可能性

2016.10.13
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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食品を購入するとき、たいていの人は「いつまで食べられるか」を気にして購入するでしょう。

平日は忙しくて睡眠不足気味で、その反動で休日はお昼近くまで寝ている……。

現代人にはよくある状況です。そんな人は、よく寝たはずなのに、起きてから頭が痛い、という経験もあるのではありませんか? 

このような場合、実は2種類の頭痛が同時に起こっている可能性があるのです。

ここでは寝過ぎと頭痛の関係について詳しく見ていきます。

寝過ぎと頭痛:2種類の頭痛

まずは「偏頭痛」と「緊張型頭痛」の違いについて説明しましょう。

偏頭痛(片頭痛)は、こめかみ周辺の血管が拡張されることによって起こる頭痛です。

血管が広がると周囲の神経が圧迫され、それが刺激となって大脳に伝わり頭痛になるのです。「ズキンズキン」と脈打つように痛むのが特徴です。

これに対し、緊張型頭痛は肩や首筋の筋肉が長時間緊張し、周辺の血管が締めつけられ、圧迫されることで起こるものです。

後頭部に痛みを感じます。偏頭痛が血流の増加によって起こるのに対し、緊張型頭痛は血流が悪くなることにより起こるという違いがあります。

混合型頭痛:2つの頭痛が起こる理由

睡眠中は休息状態にあるので、緊張が解けて脳の血管は拡張します。

しかし寝すぎると脳の血管が広がり過ぎてしまい、周囲の神経を圧迫することになるのです。

これが寝すぎによる偏頭痛です。

また寝ている間には、肩や首の筋肉は寝返りを打つ程度でほとんど動いていません。そのため、寝すぎると肩こりのような状態になって、周囲の血管が圧迫され緊張型頭痛が起こるのです。

寝すぎた日の頭痛は、以上の2つの頭痛が混ざり合って起こる「混合型頭痛」です。

偏頭痛が出ている時は、ひどい頭痛で何も手につかず、偏頭痛が治まってきても緊張型頭痛があり「頭がズーンと重い」という悲惨な状態です。

混合型頭痛の対処法

この2種類の頭痛を同時に治療することは難しいと言われます。

理由は、この2つの頭痛の対策には、相反する部分があるからです。例えば偏頭痛の場合は冷やしたほうがいいのに対し、緊張型頭痛の場合は温めたほうがいいという違いがあります。

また偏頭痛は安静が一番であるのに対し、緊張型頭痛は軽いストレッチなどが効果的という点で異なります。このため、一般的には先に緊張型頭痛を改善してから、偏頭痛の治療に入ることが多いようです。

緊張型頭痛の対処と予防

軽くストレッチや体操をすると、筋肉がほぐれて楽になります。緊張型頭痛は肩こりや首の筋肉のこわばりによって起こるので、肩や首を回す、肩もみ、マッサージも効果があります。

緊張型頭痛を予防するには、睡眠不足を避けましょう。

ストレスを溜め込まないように、適度な息抜きも必要です。食事は栄養の偏りがないように、バランスよく摂ります。

また、普段から運動をするように心がけます。ウォーキング程度でいいので、定期的に行うようにしましょう。

生活改善だけでは難しい偏頭痛

緊張型頭痛と比較すると、偏頭痛は治りにくい頭痛です。生活改善だけで改善しない場合は、治療が必要です。

医師と相談して自分に合った治療法を選択しましょう。

また人混みや光の眩しい時を避けましょう。

さらに誘因となる食べ物、チョコレートやワイン、チーズなど、人によって違いますから、自分の頭痛とつながりのある食べ物を見つけ、それを食べないようにしましょう。

いずれにせよ、普段の睡眠不足を週末などに一気に取り戻そうとしても、頭痛が起こってかえって苦しむことになりかねません。日々の生活の中で、十分な睡眠をとれるように生活を見直したいところです。

執筆:南部 洋子(看護師)
監修:川口 佑(医師、新宿ストレスクリニック院長)

image by: Shutterstock

 

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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