大手通販サイトを運営する「楽天」の「送料無料」の方針について、公正取引委員会が「独占禁止法違反のおそれがある」と伝えていたことが判明したと朝日新聞、読売新聞などが報じた。楽天は、ライバルの「amazon」への対抗策として来春の導入を目指して「送料無料」を進めてきたが、現状のままでの導入は厳しいと見られる。また、出店者からは「送料負担が増える」と批判の声も多くあり、見直しや変更が求められている。
楽天に待った 「全員がハッピーではない」ルール変更https://t.co/4cv7KL0o1s
今回の楽天のような「全員がハッピーではない」ルール変更であっても、出店者側が丸のみせざるを得ないのが実情。公取委は一方的なルール変更を問題視し始めている。 #楽天 pic.twitter.com/DPyBb3zUOH
— 朝日新聞デジタル@金のデジモ (@asahi_gdigimo) December 18, 2019
楽天が打ち出していた「送料無料」の方針
今年1月に楽天が打ち出していたのは、税込3980円(沖縄・離島などは税込9800円)を購入すれば「送料無料」とするもの。制度の開始は2020年の3月中旬を予定していた。
送料を自己負担する出品者も
「送料を無料にすることで、楽天市場内での販売価格がわかりやすくなり、集客力が高くなる」という理由から、楽天はこれまでも出店者に送料無料を求めていた。実際に、楽天が行なった実証実験では、送料無料の基準を設けることで、購買金額は約15%、店舗の新規顧客数は約14%アップしたとのこと。かかる送料については、出店者が負担するのではなく、本体価格に上乗せすることで対処できるとしてきた。
しかし、「送料を予想して上乗せするのは難しい」「値上げすると検索順位が下がるため、自己負担できる大手出店者に勝てない」などの声があがっていた。これらの理由から、一部の出店者からは「自己負担することになる」と反発されていたという。
amazonはOKで、楽天はNGな理由
政府は楽天のこれらの方針について、「送料が売上向上に繋がるかどうかは不透明」「売上があがらなかった場合、出店者に負担を強いかねない」とし、「優越的地位の乱用」に当たる可能性があると指摘したようだ。
競合「amazon」にも、通常配送無料の商品はある。しかしこれらの商品は、アマゾンジャパンが自ら販売している2000円以上のもの。有料の「プライム会員」であれば、注文金額に関わらず「日時指定便」なども含めて無料になる。アマゾン以外の業者が出店している場合は、各出店者が独自で送料を決められる。しかし、出店者がアマゾンの物流システムを利用していたら、配送料はアマゾン販売商品と同様の扱いで表示されるシステムだ。









