お客様に商品やサービスをお勧めする際、邪魔になるのが先入観。しかし、接客のプロでも時としてその「罠」にはまることもあるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、『新世紀エヴァンゲリオン』を巡るあるツイートに気付かされた、時間の流れを無視した勝手な決めつけの危険性を、自戒の念を込めて記しています。
感覚はいつの間にか
少し前にあるテレビ番組を見ていたときに、ちょっと衝撃的だったことがありました。
アニメの主題歌の中で人気のものは何かをランキング形式で発表するという番組だったのですが、アニメ好きな私は結構一人で盛り上がって見ていたのです。そして同時に、世間の反応はどうなのかを知りたくて、Twitterでもその番組のタグを見ながら、視聴していました。
結果は、『新世紀エヴァンゲリオン』の「残酷な天使のテーゼ」が1位だったわけですが、まぁこれは納得です。多分知っている人も多いでしょうし、アニソンといえば、まずこれが思い浮かぶという人もたくさんいる気がします。
ただ衝撃だったのは、そのことについて誰かがツイートしていた内容でした。
新世紀エヴァンゲリオンというアニメは、ロボットアニメだけではなく、アニメというものの立ち位置を大きく変えたアニメとしてかなりの評価を受けています。私も結構好きなアニメですし、その後の映画版なども追いかけて見ています。
ですが、あのアニメが始まったのは、1995年、つまり今から25年前なんですね。これは知っていたので何とも思いませんでしたが、ある人が、
当時35歳だった人がもう60歳になっている。
というようなことをツイートしていたのです。
エヴァンゲリオンは、放送当時から中高生以上に、ある程度大人になった人たちがハマったアニメだとされていましたから、その当時に30代だった人は60代に入っていることになるのです。その番組は年代別のランキングも同時に発表していたのですが、確かに50代から60代の得票率が多かったのにも、合点がいきました。
25年経っているわけですから、そりゃそうなのですが、これを文字で見た時に、私は結構なショックを受けました。なぜなら、自分の感覚では、60代の人はそんなにアニメに詳しいわけがないと勝手に思っていたことや、エヴァンゲリオンは若者がハマったアニメだという先入観があったからです。自分が見ていた当時、小学生や中学生くらいの若い時の感覚のままでいたのですね。その事実に気づいたことにショックを受けたと同時に、自分の感覚の古さに情けなくなりました。
多くの人は、何となくですが、「このぐらいの世代はこういう感覚を持っている」とイメージで思い込んでいます。60代ならもうアニメは見ないとか、30代ならもう大人なんだから、ゲームなんてしないみたいな感覚です。ですが、時代はどんどん流れていて、自分自身も歳を取っていきます。その分、周りの人も同じように歳を取っているので、その当時の感覚のまま成長していっているものなんです。