社会的排除のない国を作るには、まず「普通」を取り除く必要がある訳
Many stairs. Horizontal image of depressed disabled man sitting in the wheelchair and facing the difficulties with climbing the stairs alone
近年、注目を集めるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み。2030年までに達成すべき17の目標をいかにして成し遂げるか? 私たちも考えていかなくてはなりません。メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』著者の引地達也さんは、特に「障がい者」を対象とした目標について、我々がやるべきことを解説しています。
社会での学びが十分ではない17の目標
国連サミット加盟国の全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17項目は、目標達成の期日である2030年まで残り7年となった。
この目標には「誰ひとり取り残さない」とのキャッチフレーズが掲げられ、目標の中では「障がい者」を対象とした記述も少なくない。
17の目標については小中学校で学ぶ機会は増えているようだが、社会での学びは十分とは言えないかもしれない。
働く人にとっても企業の向き合い方で、その認識は大きく変わる。
個人的に意識していたとしても、具体的な取組に結びつける社会の「器」もない。
障がいがあることで「学び」が難しい人たちへの取り組み
誰もが自国だけでは生きられない中で、私たちが担う役割として17の目標を位置づけたいとの考えのもと、みんなの大学校でもその「学び」を社会で共有する計画を立てた。
特に17の目標のうち「障がい」との言葉が出てくる箇所や「誰もが」の部分を抽出し、目標の4,10,11,16を重点的に考え、障がい者を支援する機関などと共有し、具体的な行動に移したいと考えている。
目標4は「質の高い教育をみんなに」、目標10は「人や国の不平等をなくそう」、目標11は「住み続けられるまちづくりを」、目標16は「平等と公正をすべての人に」が項目である。
ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)の分かりやすい解説によると、目標4には「すべての人が技術や職業に関する教育や、大学をふくめた高等教育を受けられるようにする」(4-3)、「障がいがあったり、先住民族だったり、特にきびしいくらしを強いられている子どもでも、あらゆる段階の教育や、職業訓練を受けることができるようにする」(4-5)と示す。
ここにはみんなの大学校の存在理由でもある、誰もが高等教育を受けられるための役割機関としての自覚が具体的な活動を形作る。
障がい者の生涯学習の枠組みで文部科学省からの委託研究を行いながら、同時にこの目標4を意識して、障がいがあることで「学び」が難しくなっている方々への取組を進め、ネットワークを広げたい。
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「普通に」が難しい人がいる
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