出産を機に仕事を辞めて専業主婦に。子供ができたことで人付き合いが増えるのは当然のことですよね。しかし、自分に「社交性がない」と悩む方も多いのではないでしょうか。そんな女性の悩みに答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で、公認心理師の永藤さん。夫は「自分らしくいればいいよ」と言ってくれるものの、それでは解決にならないという女性に、永藤さんはどうアドバイスしたのでしょうか。
ちょっと御相談がありまして:社交性のない自分
皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。
Question
30代女性。夫と、4歳になる幼稚園生の娘がいます。もともとあまり丈夫ではないので、娘の出産の際に仕事を辞めて、今は専業主婦です。娘が大きくなるにつれて、当然ですが人づきあいが増えていきます。それがしんどくてたまりません。
幼稚園のママ達は、いじわるな人はいないのですが、みんな明るくてキラキラしていて社交的です。
私は彼女たちの中では圧倒されてしまい、黙ってニコニコしているだけなのですが、何人かの方が気を使って私に話を振ってきてくれたりします。でもそんなときに、気の利いた一言も返せないし、うちに帰ってから「ああ、こういう風に言えばよかった」と反省してしまいます。
自己嫌悪の気持ちが、むくむくと湧いてきてしまい、情けなくて泣きたくなります。母親の私がこんなだと、娘の教育にもよくないのではないかと落ち込みます。
夫は明るい人なので、私の悩みを話しても、「大丈夫だよ、自分らしくいればいいよ」というだけで、何の解決にもなりません。
どうしたら社交性って身につくのでしょうか?
【永藤より愛をこめて】
そうですか。
自分の言動に対して「反省してしまう」「情けない」「泣きたくなる」「落ち込む」とおっしゃっていて、苦しみが伝わってきます。
でも、ここで「〇〇をすればあなたはすぐに社交的になりますよ」という特効薬的なものって、正直言うとないと思います。
どちらかと言えば、「何をするか」という外向きのアクティブなものではなくて、自分の受け止め方、捉え方という内向きの部分を変化させてみるのはいかがでしょうか?
まず、あなたは何っっっっにも悪いことはしていない。
誰かを嫌な気持ちにさせたり怒らせたりするようなことは、何一つしていないのです。
というより、みんなの話をニコニコして聴いている、それがきちんとできる人って希少価値があると言っても過言ではありません。
「明るくて面白くて社交的」というのは確かに長所でもあり魅力でもあるのですが、それだけが正解ではありません。
物静かなこと、ニコニコ笑顔で温かみがあること、娘さん思いで生真面目なママであることって、すごく大事なことじゃないですか?
あなたはたぶん、今自分の悪いところしか見えていないかもしれないけれど、あなたは自分の長所を否定せずきちんと受け止め、自覚する必要があります。
あなたの周りの人はあなたのいいところをちゃんとわかっているから、声をかけてくれたり「大丈夫」と言ってくれたりしているのに、あなただけが「私なんてダメダメ」と聞く耳を持たずに自分の悪いところにばかり焦点を当てている。
そして勝手に自信を無くし、一人で落ち込んでいる。
なんともったいないことか。
社交性はお店では売っていません。
そしてあなたの持っているその良さも、お店で買ったものではないはず。
自分の持っている良いものを大切にし、磨いて、ピカピカにさせることを毎日続けると、きっと今のお悩みはいつの間にかふっと消えているのではないでしょうか。
まずは「もったいない」をやめることからでしょうかね。
この記事の著者・永藤かおるさんのメルマガ
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