米国とイランの緊張が高まる中、トランプ大統領による軍事行動の“延期”が相次いでいます。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、なぜ決断が先送りされているのか、その背景について語っています。
イラン戦争、内部変化を待つトランプ
トランプ大統領は21日「48時間以内にイランの発電所を攻撃する」と表明しました。
しかし23日になって攻撃を「5日間延期する」と発表しました。
27日、さらに10日間延期すると表明しました。
この度重なる延期について私の解釈を記しておきましょう。
トランプ大統領において今一番必要なものは、イランの反政府運動の中心になる人物です。
内部から現体制を倒すリーダーが欲しいのです。
おそらく当初は、宗教指導者ホメイニ氏を殺害すれば、すぐに反政府運動がおこって民主革命がおこると予想していたでしょう。
しかしながら、そのように事態は進展しませんでした。
おそらく理由は、イスラム政権を守る革命防衛隊です。
軍隊組織ですが、商業的活動へも多大な関与をしています。
ほぼ全ての経済分野に進出しており数十億ドル規模となっています。
イラン経済の1/3を占めるとも言われます。
つまり、革命防衛隊は軍事力を持つだけでなく、人々から日々の生活の糧(仕事)を奪う力ももっているのです。
「仕事を奪われる」という恐怖は大きいです。
特に大きな影響力を持つのは電力事業でしょう。
日本でもそうですが、電力事業は幅広い裾野を持ちます。
その電力事業の中心である発電所をトランプは攻撃すると宣言しました。
電力分野で働くイラン人は驚いたでしょう。仕事がなくなってしまうかもしれないのです。
現在、それらのイラン人は「発電所への攻撃だけは阻止しろ」と現政権に要求をしているはずです。
もしその要求が受け入れられなければ、「現政権には任せておけない。独自にトランプとの交渉をしたい」とも思うでしょう。
それこそが、トランプ大統領が狙っている事です。
発電所への攻撃を宣言し、そして、それを延期する。
彼は反旗を翻すイラン人の指導者、グループが現れるのを待っています。
イランに圧力をかけて、内部変化が起こるのを待っているのです。
「よさそうな指導者、グループが現れれば、その人達を支援してイラン人自身による民主革命を起こさせる」それがトランプの今回の戦略でしょう。
期限を延ばしたのは、「イラン政府の要請による」としていますが、これは政府内部に呼応するグループの萌芽がある事を示しています。
何よりトランプ大統領自身が伸ばしたかったのでしょう。
反体制派に時間を与えるためです。
大きな賭けです。成功すればよいですが、失敗すれば大変な事になります。
現イスラム政権の革命防衛隊は「発電所が破壊されれば、同じことを米国発電所に行う」と宣言しているからです。
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