中華圏で18日から始まった旧正月の「春節休み」が終わり、日本での”爆買い”もひと段落といったところ。東京の家電量販店や百貨店などでは中国の春節(2015年2月18日~24日)にあわせて福袋も用意されましたそうで、秋葉原で「総合免税店」を掲げる老舗家電量販店では総額10億円の福袋を販売し、中国人観光客が飛びつくように買う様子は中国メディアでも報道されたほどだったとか。
東京での春節模様はメディア等でも多く取り上げられていましたが、そのほか中国本土や世界ではどうだったのでしょう。今回は日本の京都、中国の大連、そしてアメリカのマンハッタンで活躍するメルマガ著者の方々からその様子を教えていただきました。
まずは全米最多発刊部数の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明さんからマンハッタンの旧正月レポートをお届け。マンハッタンのミステリースポットと言えるほど謎だらけというチャイナタウンは旧正月になるとその様子はさらに驚異的らしい。
最新ニューヨーク事情 第9回 「チャイニーズ ニューイヤー」
NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明 3/4号 より
写真提供:フォトライブラリー
今年は2月の22日にNYのチャイナタウンで旧正月のパレードが行われました。
弊社の中国人スタッフに「1月1日と旧正月、どっちがお正月なの?」と聞くと、笑顔で「どっちも!」と返ってきました。 年に2回もお正月気分を楽しめるーと。
非常に派手なパレードは、沿道に多くの観客を集め、獅子舞やクラシックカーが練り歩き、立ち並ぶお店は今年の干支である羊をモチーフとした“旧正月グッズ”で埋まります。 (もちろん、日本のバッタもんもいっぱいです)至る所で爆竹の音がうるさいほど。
中には現金の入った大きなズタ袋を持った人が道路中央で袋の中のキャッシュをばらまき(といっても$1札ですが)周囲の人間がぎゃーぎゃー言いながら、飛びつきます。 お祭りのノリとはいえ、さすがにそのあたりは日本人の僕たちにはマネできない…。
どこのお店も超満員で、極寒の中、外で待たされました。
それにしてもチャイナタウンは、在米の僕たちにとっても、まだまだ未開の地で、マンハッタン最大のミステリースポットです。
世界中に点在するチャイナタウンですが、80年代にサンフランシスコ、ロンドンを超えて、今やニューヨークのチャイナタウンが世界最大規模のチャイナタウンだとか。
目に見える地上のチャイナタウンの地下に中国人しか入国できない、もうひとつのチャイナタウンが存在する、なんていう都市伝説も昔からこの街でささやかれるくらいです。 (そんなことあるわけないとは思うけれど、密航者の数を考えると、あながち、港から直接入って来られる航路が地下に続いてると、思わないでもない。 。 )
マンハッタンの中にあるのに、ニューヨーク・タイムズが売られてない! そんな特別な謎に満ちたエリアです。
今回も、どこのお店も超満員な為、屋台が並んでいるストリートまで歩きました。
多分、チキンであろう見た目のフライが、3個袋に入って売られていました。 「3for $1.50」の値札が。
あまりの安さに、「えっ!3個でワンフィフティー(150円)!!??」と驚いて思わず声を上げると、絆創膏を額に貼った売り子のおじさんのようなオバサン、なにを勘違いしたのか、「チッ」と舌打ちして、「オッケー、わんだらぁー(100円)!」と人差し指を一本こちらに立ててきました。 さらに安くなったよ…。
食べてみると、チキンではありました。 まだ血のようなものが付いていて、食べた数分後に頭のテッペンの中がかゆくなった…。
やっと空きの出たテイクアウト専門のラーメン屋さんに入ると、英語のメニューがない!
レジのおばさんの後ろに漢字オンリーで書かれたメニュー(らしきもの)を想像で注文する。
適当に選んだものを指差すも、距離があるため、オバサン、どれを僕が選んだかわからない。 そこで、棒のようなものを僕に「これで指せ!」とジェスチャーしてくるのはいいのですが、それがあきらかにハエ叩き棒。
表面がベタベタで、足がグラグラのテーブルに座ります。 お箸は割り箸でなく、使い回し。 (日本でもエコのため、最近は割り箸ではなく、使い回しのお箸も珍しくなくなってきていますが、ここはもう何十年も前から。 早すぎるエコの先取り。 多分、エコって言っても、本人たちなんのことかわかってないと思うけど)
ヌードルスープに入っている肉も魚も、基本、骨付きです。 日本のように丁寧に骨をあらかじめ取ってるなんてことはない。
その骨を、みなさん、口から直接テーブルにペッて、吐き出します。 テーブルにダイレクトに。 そこにいるみんな。
誰かが使ったあと、お湯をくぐらしただけのヌルヌルのお箸で、周囲がペッ、ペッって吐いてるテーブルで食す。
これ以上ないほど、食欲を削られる環境で、なんの材料を使ってるかわからないラーメンを食べてみる。
これが信じられないくらい美味しい。
でも、その環境に気持ち悪くなって、もう食べたくない。
でも、美味しすぎるから、また食べてしまう。
でも、気持ちは、もうこれ以上食べたくない。
でも、脳が、まだ食べたいと命令する。
オエッ。 美味しい♪ オエッ。 美味しい♪ オエッ。 の繰り返し。
チャイナタウンはそんな街です(なんだ、そりゃw)
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つづいて中国大連在住15年目の筆者が語る春節時期のお仕事事情。本土の会社も休日は「春節休日」だけかと思いきやかなりの長期休暇をとる工場なんかもあるそう。帰省した工員が春節明けに音信不通になるなんて工場の運営者にとってはハラハラな時期だったりして!
「春節はまだ終わっていない」
中国大連ビジネスリポート 3/5号より
写真提供:フォトライブラリー
今年の「春節休日」は、2月18日~24日の1週間と公告がありましたが、中国人が経営する民営の工場はまだお休み中の所がほとんどです。
そういう工場の幹部社員はそれでも出勤はしているのですが、現場を動かす工員がいまだ帰省中のまま戻ってきていないのです。
中国ではよく言われていることの一つに、春節前にボーナスを貰い帰省したあと戻ってこないので、携帯電話へ掛けると「この電話は現在使われていません」ということが、しばしばあるとのことです。
個人商店や飲食店などもその様な事態が発生して已む無く店じまいという結果が今でも起こっています。
知り合いの工場の場合、通常は余りにも忙しすぎるので、春節の休みは長期間にしています。
18日の除夜には必ず家族と一緒にいなければいけないという慣習から、16日あたりから帰省を許可しています。
そして3月5日の「元宵節」までに全員が揃うのです。
この「元宵節」は「小正月」とも言い、この日の朝食は、家族全員「湯円」と言われる餡入り団子を食べます。一家団欒、一致団結みたいな意味合いもあるのでしょう。
いよいよ新年の幕開けですが──────
ラストは春節に中国人の友人を九州に招いたら”爆買い”の現場を生で目の当たりにしてしまった著者山口さん。中国ビジネスに精通している著者も、いくら観光旅行とは言えドラッグストアで何十万も落とすのはそうそう見られるもんじゃない!?
【14億に挑む】中国人の爆買い!?
14億に挑む中国ビジネス 3/4号より
先月、中国春節の大型連休に来日した中国人観光客の爆買いをしているニュースが連日賑わせていました。
これまでですと「へぇ~ すごいなぁ~」くらいに思ってニュースを観ていたのですが、今回、上海の友人たちが来日したことでそのシーンを生で体感!?することができました。(笑)
3家族10人での来日・・・・。滞在は6日間。
彼らのうち数人は来日の経験があったものの九州へ来たのは初めて・・・もちろん福岡も初めてです。
今回はなぜか観光スポットである長崎をはずし、大分、熊本観光に3日間を要したもののあとはすべて買い物の時間に要する計画。
彼らがまず、連れていってくれ!と行ったところは、「マツキヨ」でした。
マツキヨは、もちろん想定内・・・。中国人に「大型薬局」が人気なのは誰もが知るところです。
ところが、買い物を初めた瞬間からは想定外の連続、、、入店と同時に商品を手に取っては
かごに入れるは、入れる・・・。歯磨き粉、目薬、シップ薬から生理用品、洗剤、化粧品、白髪染などなど・・・。
買い物かごや箱がいくつも並んでいきます、、、
そしてそこだけの滞在時間でなんと2時間・・・。
最終的にそこに落とした金額は30万円を軽く超えたのでした、、、
日本人のお客さんたちもびっくりしていましたね。(笑)
大分から熊本へ移動する際、トイレ休憩に立ち寄ったさびれた!?ドライブイン・・・。
ほんの数分、トイレ休憩するはずが、なんとそこでもお菓子の爆買い!?が始まりました──────
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(まぐまぐ編集部/まつこ)
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