悠久の古代ロマン。日本建国の謎を解くカギは大企業・イオンが握る?

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奈良県桜井市に建設を予定していたイオンが出店を断念しました。その意外な理由は「高額な発掘調査費」。実は建設予定地が弥生時代の大集落跡・大福遺跡にかかっており、その調査費用は事業者負担という決まりがあったのです。この報道を受け、無料メルマガ『古代史探求レポート』ではこの大福遺跡について詳述し、イオンにぜひ日本建国の謎を解き明かして欲しいと願っています。

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今回は、大福遺跡にイオンを建設しようという話のようです。

大福遺跡は、古代史探求レポートでも既に紹介させていただきました。日本最古のお面が出土しているのですが、私はレポートの中で、お面ではなく仮面だったのではないかと問題提起させていただきました。

お面も仮面も、顔につけるものですが、仮面は顔を隠すためのものです。本人であることを知られないためのものが仮面です。お面は、付けてその役を演じ、なりきるためのものです。自分を隠すために付けるものではありません。ですから、お面は非常に精巧に作られます。

大福遺跡のものは、農作業に使ったであろう鋤を利用して目の位置を開けたものです。そこには、着色の跡も、削った後も存在していませんでした。例えば、悪魔を演じるとか、魔物を演じるものでもなく、芝居に使われたものでもありませんでした。これは、想像でしかありませんが、収穫祭の後その面をつけて求婚していたのではないかと考えているのです。ですからお面ではないのです。

この大福遺跡の場所は、私にとって非常に興味深い場所でもあるのです。ご存知、大和政権の萌芽の場所である纒向遺跡と接しています。纒向には、個人の集落がなく、大きな建物しか存在していなかったことがわかっています。何もない場所に、突然大型建築物が登場したのです。

つまり、何者かの一族が移り住んだわけですが、彼らを支える労働者が必要であったはずです。難しいのは、その労働力を担った人々はどこに住んでいたのかという点です。

近くには唐古鍵遺跡が存在します。弥生時代の大規模環濠集落で各地の土器が出土していますから交易も大々的に行っていたことがわかっています。また、この地には土器片に描かれていた非常にユニークな物見櫓が再建されています。そこは居住空間ではなく、あくまで物見櫓です。この一族が纒向へと移動したとも考えられますが、だとすれば何故ということになります。それに、近くではありますが、隣接しているわけではありません。

唐古・鍵遺跡の人々が纒向に移り住んだという仮説は間違いであるように思います。やはり、どこからかやってきた一族が空間地であった三輪山の麓に住み着いたのだと思います。そして、その食料である稲作を行った場所が、纒向遺跡の周辺、即ち、大福遺跡を含む西側の地域だったのではないかと考えていたのです。

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