消えゆく地方の百貨店…悩める「老舗」は生まれ変われるのか?

tempo20170417
 

百貨店独自の強みと高級感に「個性」をプラスしたことで、息を吹き返しつつある都市部の百貨店。しかし、地方の厳しい状況は未だ変わらず、次々と老舗百貨店が姿を消しています。今回の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では、著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、業績不振の「三越伊勢丹HD」の生き残り策などを中心に、苦境に置かれている一部百貨店の現状を分析しています。

消えゆく地方の百貨店と三越伊勢丹の現状

佐藤昌司です。かたや老朽化した古めかしい百貨店、かたや新規開業した真新しい商業施設やテーマパークのような開放的な空間で、高級ブランドや人気ブランドが低価格で買える商業施設。勝負の行方は明白でした。

2月26日、仙台駅前にある「さくら野百貨店仙台店」(仙台市)は営業を停止し、翌27日に同店を運営するエマルシェが仙台地裁に自己破産を申請、破産手続き開始決定を受けました。同店は昨年6月に創業70周年を迎えた老舗です。

同店は駅前の好立地にありましたが、競争の激化により苦戦が続いていました。2011年3月に発生した東日本大震災により仙台駅周辺は再開発され、大型商業施設が新規開業したことで競争がさらに激化し、有力テナントが撤退していったことで業績は急激に悪化しました。

地方ではショッピングセンターが台頭しています。デフレ不況やリーマンショックに端を発した経済の低迷で消費者は低価格志向を強め、主に高額品を扱う百貨店は敬遠されるようになりました。高価格帯のブランドであっても、少し足を運べばアウトレットモールで割安価格で購入することができる時代です。イオンモールなどのショッピングセンターも台頭し、百貨店の地位は相対的に低下していきました。

「さくら野百貨店仙台店」が立地していた仙台市には「三井アウトレットパーク仙台港」と「仙台泉プレミアム・アウトレット」の2つのアウトレットモールがあります。三井アウトレットパーク仙台港には仙台駅から電車と徒歩で30分以内で行くことができます。テーマパークのような開放的な空間が広がり、高級ブランドや人気ブランドがおしゃれな佇まいで軒を並べています。

三井アウトレットパーク仙台港はもちろん一例です。様々なショッピングセンターが各地で台頭しています。さらに百貨店同士の競争も激化しています。さくら野百貨店仙台店は改装しているとは言え老朽化が激しく、今の時代に合った建物の構造でもなかったため、有力テナントや消費者が敬遠するようになりました。同店の閉店は必然だったといえるでしょう。それとともに、今の時代の百貨店の現状を映し出す鏡のようにも思えます。

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