未経験と無知だから出来た。パクチー料理専門店が大成功した理由

20171003_phakchi
 

10年前、パクチー料理の専門店を開店しようと思い立ったという、メルマガ『佐谷恭の「パクチー起業論」』の著者で日本パクチー狂会会長の佐谷さん。しかし当時、コンサルなどの専門家たちは口を揃えてやめたほうがいいと「完全否定」しました。それでも佐谷さんはパクチー専門の料理店を開業し、大成功を収めることが出来たのは一体ナゼでしょうか? 飲食業界に革命を起こした男による講演録から、奇跡の軌跡を辿ります。

未経験だからできる~“ありえない”をブームにするニッチ戦略

「好き嫌いのはっきりしているパクチーで専門店だなんてありえない」

「パクチーを知っている人がどれだけいると思ってるんだ。知名度が低過ぎる」

「あまりに危険だ。まずは業態として確立した焼鳥屋などで経営者としての経験を積んで、余剰資金で趣味に走ればいい」

飲食業の経験が全くない僕が「パクチー料理専門店」を開くと聞き、多くの友人が目を丸くして驚きました。友人の伝手を辿って、中小企業診断士や外食コンサルタントなどに数多く会い、恐る恐る僕の構想をぶつけてみたところ、合計10人以上のいわゆる専門家に「ダメ出し」というか「完全否定」されました。

成功事例からアドバイスする彼らからすると、至極真っ当な意見だと思います。しかし僕は「誰もやっていないこと」をやるのが起業であり、自らの体験・思いを形にしたいと思っていたので、既存の業態で経験を積めという意見に同意できませんでした。

その当時、起業経験のない僕は「いいね!」を求めていました。一人でもそう言ってくれれば気が休まったでしょう。次から次へ相談に行ったのはそのためです。しかし、期待していた答えは得られませんでした。そして「完全否定」を繰り返されてようやく、あることに気づきました。僕は2年以上さまざまな方法で「パクチー」に真剣に接していたのですが、当たり前ですが僕が相談した人は「パクチー」についてじっくり考えたことのある人はいませんでした。「私は好きですがね」と言ってくれる優しい人はいましたが。

「完全否定」が続くと、やがて僕は目の前にグリーンフィールドが広がるのが見えました。

「専門家」も気づいていない新たな分野を切り開けることに気づいたのです。2年半ほど「日本パクチー狂会」の活動を通して僕だけが実感してきたパクチーの可能性。世界で食べられているパクチーが、日本にも千年以上も前に渡来していたにも関わらず広まっていないのは奇跡的だし、柔軟な日本の食文化がそれを受け入れないわけがないと確信しました。

print
いま読まれてます

  • 未経験と無知だから出来た。パクチー料理専門店が大成功した理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け