とにかく、コンピュータが使えないとか、文書が多いだけでなく、こんなに多くの要因が重なって、人の時間と労力を奪っているのですから、生産性が上がらないのも当然です。そうした問題を明らかにして、どうか生産性本部の皆さんは、本当に日本のオフィスにおける仕事の進め方にメスを入れていっていただきたいと思います。
そもそも働き方改革というのは、それが趣旨であったはずです。文書を削減し、会議の参加人数を減らし、権限を委譲し、コミュニケーションを効率化する、その結果として同じ業務量でも2倍、3倍の効率が生まれる、その結果として長時間労働が不要になる、これが働き方改革のはずです。
そうではなくて、働き方改革のために残業ができないので、管理職が実務を抱えるとか、その果てに働き方改革のために生産量や受注など、経済の規模も縮小するというのでは本末転倒です。
日本経済において、ホンモノの経営者はどこへ行ったのか、そんな絶望感すら感じられるのです。その絶望も、そして日々の「非効率な業務」も、本当は無駄な不幸なのだということ、とにかく日本よりも「ラテン系」の諸国が日本以上の生産性を上げている、その現実を直視して、現在の日本の職場に蔓延している不幸がいかに無駄でバカバカしいのかをしっかり認識していかねばなりません。
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