社員のアイディアが商品に!米3Mに学ぶ「やる気を引き出す」経営

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社員のやる気と才能を引き出すための、“お金”以外の方法とは? マネジメントの基本を分かりやすくレクチャーしてくれるメルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では、米企業・3Mでの実例を挙げつつ、イノベーションを起こす人材をしっかり確保するための方法を説いています。

ホーソン実験(最初の発見)

人には感情があります。感情無視した経営は無策で、大きな成果を生み出すことはありません。ところが、給料さえ払えば働くのは当たり前という考えがいまだに生き続けています。せっかく縁があって雇用したのに、最大の能力を発揮してもらえないというケースが一般的です。

極端な例で、人のやる気根源を説明します。戦争になったとき、国を守るため、栄誉を得るため、人は命をかけて戦います。もちろん臆病で自分のことしか考えない人もいますが、その人でさえも本人の誇りと価値観と大切にしているものにかかわったとき、思わぬ爆発的な行動を取ることさえあります。

初期の経営学においては、労働力は手段で、フレデリック・テイラーの「科学的管理法」が主流でした。合理性知性人間の労働を律する原理であると考えていました。

ところが、エルトン・メイヨー、フリッツ・レスリスバ ーガーがアメリカのホーソン工場で行われた照明実験から思わぬ結果が出てきました。これは作業条件と従業員の作業能率の関係を分析するために行った実験です。

なんと、照明環境が悪くなっても能率がさらに向上したのです。物理的条件外で、作業能率向上させる要因があることが初めて認識された実験でした。客観的な職場環境よりも「職場における人間関係」が、能率にかかわるのではないかという仮説が導き出されました。

この発見が現在、経営学の新たな扉を開きました。人こそ「最大の経営資源」です。人の持つ能力を最大限に発揮させる、人の心とする経営こそが強さ実現できる経営であり、松下幸之助さんが「私の会社は人をつくっています」と言われた真髄です。

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