社員のアイディアが商品に!米3Mに学ぶ「やる気を引き出す」経営

 

3Mという会社の「やる気の経営」

アメリカに3Mという会社があります。産業分野から生活関連分野、ヘルスケア分野に至るまで、広範にイノベーションを提供しているグローバル企業です。超優良企業でイノベーションをもっとも重視する会社です。

同社には「15パーセントルール」という不文律があります。これは、従業員が勤務時間の15%を日々の仕事にとらわれない活動にあてることを許すというものです。また全売上高のうち、発売から5年以内新製品が占める比率が3分の1以上占有率でなければならないという目標もあります。

この会社にはたくさんの事業部がありますが、その成り立ちがユニークです。事業部従業員アイディアから出発します。従業員が自分のアイディアを商品化したい場合、自分の所属している事業部に売り込みます。それがダメであれば、他の事業部に売り込みます。事業部も新製品の占有率を上げなければならないので、よいアイディアを探しています。

そのような仕組みでよいアイディア商品化積極的促進されており、商品開発の承認が得られれば、自由にメンバー選ぶことができ予算もつきます。それは困難の連続で、商品化に至るには10年、20年の期間を要すると言われています。

執念により成功した新事業チームがやがて事業部になってゆきます。だから、事業部の役員はベンチャーのチャンピオンであり、新製品占有率の達成の目標もあり、チャレンジャーへの理解度および効果的な支援体制が整っています。日本では京セラの「アメーバ組織」が近い仕組みを持っています。

成熟化しグローバル化しかつ競争が激化している環境においては、「イノベーション」と「知識」が、企業が生き残るための必須要件になっています。この2つの要件をつくりあげるのは、人の持つ「やる気」をいかに引き出すかがポイントになります。

もちろん成功の結果の報酬もインセンティブ(誘因)になりますが、上記で示した「動機付け要因」をいかに経営の基本に取り込むかが中心課題になります。経営は人(顧客)を目的に、人(働く人)によってなされる活動です。人は知性とともに感情をも有しています経営力を最高に発揮するには、このことに対する認識(知恵)が最も卓説性を実現する現実認識です。

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『戦略経営の「よもやま話」』
著者/浅井良一
戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。
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