入浴剤を侮るな。温泉並みの効果が期待できるモノの選び方

 

入浴剤は大きく二つに分けられている。 「医薬部外品」と「浴用化粧品」だ。ほかに「雑貨」という扱いの入浴剤もある。 このうち最初の二つに関しては、薬事法で規制されていて、きちんと医学的な「効能」を謳うことができる。つまり、効く、ということである。

ただし、浴用化粧品は、表示できる効能効果について「皮膚を清浄にする」「皮膚を健やかに保つ」「皮膚に潤いを与える」などに限定されている。というわけで、入浴剤を選ぶのであれば「医薬部外品」を選ぶといいだろう。

温泉エッセイストの山崎まゆみさんと座談会をした時、彼女は必ず毎日、日ごとに違った入浴剤を入れて、家のお風呂を楽しんでいると言っていた。僕としても入浴剤の家庭風呂への利用は、積極的におすすめしたいと思う。

昨今は様々な入浴剤が売られているが、もっとも効果が期待できそうだと感じるのは、炭酸ガス系の入浴剤である。 まあ「バブ」とかがそうだ。炭酸ガス(二酸化炭素)成分の血管拡張作用で血行が促進され、保温効果も高まり、肩こりなどにも効き目が高いようだ。

天然温泉でいうと二酸化炭素泉がこれに相当するものだが、全国的にもかなり数が少なく、貴重な泉質である。 というのも、療養泉の定義で二酸化炭素泉の泉質名がつくには、温泉1kgに遊離二酸化炭素が1000mg含まれていなければならず、これは家庭用のお風呂にバブを10個以上入れたくらいの濃度なのだ。

なんだ、バブは天然温泉にかなわないじゃんか、というわけじゃなくて、炭酸ガスは湧出後に飛散しやすいために、基準値(限界値)が高く設定してあるわけである。 炭酸が薄いから全然効かないというわけではない。

であれば、メントール成分などが配合された炭酸水素ナトリウム系の入浴剤がいい。 天然温泉でいうナトリウム-炭酸水素塩泉と同じく、皮膚の清浄効果や湯上がりの清涼感もあり、メントール成分はその清涼感を高めてくれる。

季節ごと入浴剤変えるのも、家風呂の楽しみだと言える。ただし、草津や登別などの天然湯の花は、ホンモノの硫黄成分なので、使ってそのままにしておくと風呂釜や浴槽が傷む。 入浴後はすぐに湯を落として風呂を洗う、追い炊きは避けるなどの点を注意したい。

image by: Shutterstock

 

『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋

著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
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