なぜスポーツショップは店全体に所狭しと商品が並んでいるのか

 

在庫を減らす方法

決められた在庫金額以上に仕入れない」ということは、説明をしなくてもお分かりでしょう。

あなたのお店にも、毎月の販売予算に合わせた仕入予算があります。月1000万円の販売予算なら、仕入予算は最大でも700万円というところです。

この700万円以上の仕入金額になりそうになったなら、すぐに仕入をストップします。売上が月の途中で900万円位に終わりそうだということが分かれば、630万円の仕入金額に達したところで仕入ストップです。

そうしないと、在庫がどんどんと膨らんでいきます。気をつけてください。

そして、次の「倉庫を持ったり増やしたりしない」というのは、どういうことでしょう。

実は、在庫が膨れ上がってしまう最大の原因が倉庫の存在です。

売場に陳列できない量の商品が入荷したり、売れ残った商品があったりすると、置き場がないのでついつい倉庫を借りたり広げたりします。これがいけません。倉庫があるからといって、安易に商品を仕入れてしまいます。

また、いったん倉庫に入った商品は、なかなか日の目を見なくなります。売場には、新製品が次から次へと入ってくるからです。

倉庫に入れなければならない商品が出てきたら、すぐにでも処分販売しましょう。倉庫は悪の元凶です。倉庫を広げたために経営があやしくなったという話は、よく聞きます。

3つ目は「一年以上売れていない商品は即刻処分をする」ことです。これは、ぜひお店のルールとして徹底しましょう。

一年以上動かない商品は、お店にとっては死に在庫です。いつまでも未練を持っていてはいけません。あきらめることです。

先の、倉庫に入れる商品と同じで、一刻も早く利益を削って売場から無くしましょう。

ただし、利益を削るということは経営的には痛みを伴います。その痛みは社員の皆さん感じることが必要です。そうすれば、安易な仕入をしなくなるようになります。

どうかスリムな在庫の売場で、身軽な経営ができるよう頑張ってください。

■今日のツボ■
・仕入スタッフは、ついつい商品を仕入過ぎる。
・展示会で発注した商品が売れるとは限らない。
・在庫を膨らませないための良い方法が3つある。

image by: pio3 / Shutterstock.com

 

『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』
著者/梅本泰則
ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
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