AIIB主導の中国が世界の覇権国家になれないワケ

 

日本の世界観は、「民主主義」+アルファで

現在世界の政体は、大きく二つしかありません。一つは、独裁です。中国、北朝鮮が代表的。もう一つは、民主主義です。

大きくこの二つがあり、その中間に、「なんちゃって民主主義」がある。これは、「形式的に選挙はあるが、勝つ人は最初からきまっている」。たとえば、ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャンなど。

しかし、世界的に「できるできないは別として民主主義の方がいい」と思われている。これは、今後も揺るがないでしょう。ですから、日本が世界に提示する世界観は、「民主主義+アルファ」であるべきです。

「和」は、世界の人を納得させる

では、日本に世界を納得させる世界観はあるのでしょうか?実をいうと、日本もある世界観を基につくられました。「八紘一宇」です。意味は、「世界を一つの家のようにする」。しかし、この言葉は戦前・戦中多用されたことから、いわゆる「戦勝国」からの反発が強いことでしょう。

私は、「」を日本の世界観にしたらいいと思います。日本は602年、はじめて17条からなる憲法を創りました。その一条は、「和をもって尊しとなす」です。以後、日本人は、いつも「和」を第1に重んじてきました。それで、日本では、神道、仏教、キリスト教などが共存し、なんの対立もありません。

これは、世界の人も納得できる「世界観」です。つまり、日本は、「世界に平和と調和をもたらす国」ということです。そして、日本は「和の世界」をつくっていく。

世界に「和」をもたらす政策とは?

世界観が決まったら、次はそれを現実化するための「政策」に話がいきます。私は、日本人の性格から、「新しい世界秩序つくりを主導する」とか、「国連にかわる世界政府をつくる」などという大それたことは無理だと思います。それに、他の大国からの反発がものすごくなることでしょう。だから私は、「誰からも文句をいわれない政策」を実行することを勧めたいです。

それはなんでしょうか?

国連によると、世界には飢えている人が、8億5000万人いる(2014年)。「和」の世界観をもつ日本は、飢えてる人に食料支援を行います。しかし、食べ物を与えるだけだと、永遠に自立できないので、農業支援を行います。そして、世界には水不足で苦しんでいる人がたくさんいるので、井戸を掘ります。食べ物と水が手に入るようになった国には、学校つくりを支援します。

これらの支援を行うにあたって、「戦争をしている国は支援しない」と条件をつけます。すると、戦争をしていた貧しい国は、「仲良くして日本から助けてもらおう」となり、平和になりました。

こういうのは、「キレイゴト」に思えますが、金銭的にも技術的にも十分可能です(世界から飢餓をなくすのに必要なお金は年間3兆円といわれ
る。これは、日本のGDPの0.6%にすぎない)。

今回の話、動画でも解説しています。参考になさってください。もちろん完全無料です。

image by: Wikipedia

『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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