【雑学】ドラマや小説でよく使われる毒って何で「青酸カリ」なの?

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2時間ドラマなどで飲み物を口に含んだあとに「うっ…!」なんて苦しみ出すシーンをよく見かけますよね。そして大抵それは毒殺で、使われたのは「青酸カリ」というのがお決まりのパターン。でも、「青酸カリ」はなぜここまで有名になったのでしょうか? そして死に至るメカニズムは? 無料メルマガ『NSW公式メールマガジン』にその答えがあります。

今週の実験 ~青酸カリのメカニズム~

本日は、皆さんご存知の青酸カリのお話です。

青酸カリは毒の代名詞ともいえる知名度を誇りますが、なぜ有名なのかはあまり知られていません。もともと、メッキには青酸法と呼ばれる方法があり、青酸カリが多量に利用されていました。昔の毒劇物の取扱は杜撰な環境だったので、くすねることは非常に簡単でした。そこで、誰もが盗んで殺せる身近な毒となったなわけです。青酸法についてはいつか話そうと思います。

では、青酸カリはどのような毒性があるのでしょうか。そのメカニズムと振る舞いに関して見ていきます。

青酸カリは、青酸(弱酸)とカリウム(アルカリ)から成る塩(えん)で、強い酸に触れると弱い酸である青酸を手放します。アルカリはより強い酸に化合するので、弱い酸は追い出されてしまいます。

青酸は、沸点が非常に低い物質で、体温で容易に蒸発して気体となります。これがいわゆる青酸ガスです。こちらが肺などから吸収され、血液内に進入します。因みに、この青酸ガスですが、嗅盲といって遺伝的にこの臭いを感じない人が20%~40%いるようです。

えー。血中に侵入した青酸ガスは、ヘモグロビンのヘム鉄と結合して酸素の運搬を阻害します。これにより窒息した細胞が壊死し死に至ります。今日はこの辺まで。次回は、正しい使い方と入手法についてお話ししないかもしれません。

image by: Shutterstock.com

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