【高城剛】米国のAIIB不参加は確信犯。どこかのタイミングで必ず日本を裏切る

 

米国は、東南アジアとは物理的な距離があり、インフラ事業はそこまで美味しいものではなく、むしろ、インフラ整備が終わった後に関心があるはずです。なぜなら、東南アジアのインフラ事業でモノいうのは「賄賂」であり、他国での「賄賂」行為は米国では違法ですが、中国は違法ではありません。ちなみに、日本ではグレーです。

ですので、中国でも日本でもどこでもいいのでインフラ整備をとっとと整えて、その後、自動車やソフトウエア、サービス、医療に代表される米国企業製品を流し込むことが本当の狙いで(さらに金融と保険など)、どこかのタイミングで米国は必ず日本を裏切ります。それは歴史を見ても明らかなのです。おそらくですが、僕は米国は英国がAIIBに参加することを「事前に知っていた」と思っています。どう考えても、知らないわけがありません。もうすでに、米国の「芝居」に騙されていると考えることも必要です。でも残念ながら「本社」にモノを言える「支社長」は、日本に見当たりません。

また、参加不参加の二極論に陥ってはいけませんし、「ほら、見たことか」とAIIBの失敗を待つ(人の失敗を心待ちにするような国)だけになってはいけません。参加しながら、さらに優位に立てる可能性も考える必要があります。そうしないと、気がつかないうちに自分が変化を拒んでいることなってしまい、二極論に陥ってしまいます。AIIBに不参加したい人たちや、憲法改正したい人たちは、多くの人を二極論に陥いらせることが作戦なのです。ですので、目的が中国に対する牽制や、日本が国際的に中国に対して優位に立つことであるならば、その可能性を持ってAIIBに参加することを検討すべきだと僕は思うのです。しかし、目的が米国の意向に沿うことや、(空気いれられた)プライドのようなものであれば、その限りではありません。

ちなみに、(大型旧式の)原発輸出は安倍政権最大のビジネスで成果も着々と出ています。皆さんから預かった税金を他国への営業補助金として使って。そこには、反原発論者の税金も含まれており、実に皮肉な話です。

image by: Wikimedia Commons

takashiro 『高城未来研究所「Future Report」』
著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
≪初月無料/購読はこちらから≫

print
いま読まれてます

  • 【高城剛】米国のAIIB不参加は確信犯。どこかのタイミングで必ず日本を裏切る
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け