肥満体型は「精子の質」を悪化させる―英国の大学が発表

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さまざまな生活習慣病の原因となる肥満ですが、さらに衝撃的な研究結果が発表されました。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』によると、肥満男性の精子は量も少なく、さらにDNAの異常が起こる頻度が高くなっているとのこと。お子さんを望まれている男性諸氏、太り過ぎに要注意です。

肥満男性の精子

少子高齢化が叫ばれていますが、数十年後の日本の状況を考えると、そら恐ろしくなります。その原因の1つとして、妊娠率の低下があげられますが、肥満の家族では子供の数が少ない傾向があることが知られています。

理由が気になるところですが、肥満の女性は妊娠しにくく、また妊婦が肥満だと出産時にいろいろな困難な状況に陥ることもよく知られています。

男性の場合では、肥満体型の男性の精子は強いダメージを受けているため、妊娠率が低い可能性があるそうです。これは、Aberdeen大学のGhiyath Shayeb博士等がバルセロナでひかられた欧州妊娠学会で発表したものです。

研究では、不妊のカップルの2,000名の男子を、肥満度別にBMI(Body Mass Index)に従って4群に分け、また同時に精子を採取しその性質を調べました。その結果、BMI20-25の健康な人では、肥満の男性よりも精液の量が多く、正常な精子を持っている確率が高いことがわかりました。

一方、BMI値が高くなるに従って、精液の量が低下し、精子の異常の頻度が増加していました。

さらに、BMI値の高い男性では、精子のDNAに異常が起こっている頻度も高くなっていたそうです。

肥満男性の精子の質が低下する原因は、精巣の周りに脂肪が多いために、精子の温度が上がっているのが原因と考えられています。脂肪が、精巣付近に高温化をもたらしているという訳です。

そういえば、以前、ノートパソコンを膝の上で使っている男性の精子はDNAダメージを受けていることを、このHPでお知らせしました。その理由も、パソコンが発生する熱で精子のDNAに異常が生じているということでした。

勿論、食生活も重大な影響を与えており、肥満によるホルモン分泌の乱れもその一因と考えられています

この研究者によると、体重を正常値に戻すと、精子のダメージも回復するとの事ですので、是非肥満解消を心がけなさってください。

image by Shutterstock

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