中国公船がまた体当たり。高速鉄道でも騙されたインドネシアが大激怒

 

中国側はこの九段線より南にあるナトゥナ諸島についてはインドネシア領であることを認めているため、インドネシア政府も南シナ海問題については比較的中立的な態度ではありましたが、しかしここ数年でその周辺海域であるEEZへの中国漁船の不法操業が頻繁に起こっていることで、業を煮やしている状況です。

また中国漁船はじっさいには漁船ではなく、中国の公安船と手を組んで、もっぱらインドネシアの漁船を待ち伏せして、包囲しながら魚を略奪するといった、海賊行為も頻繁に行っているようです。中国漁船の船主にはチャイナ・マフィアが多く、中国の海上公安船のメンバーは、マフィアから給料を貰っている者も多いといいます。「十警九黒」(10人の警官のうち9人がマフィアとつながっている)という言葉もあるくらいです。

昨年の5月には、インドネシア当局は拿捕した中国漁船を見せしめのために海上で爆破していますし、9月にはインドネシア海軍が中国漁船に向かって砲撃、これにより中国人船員1人が死亡しています。

中国不法漁船を爆破 インドネシアが拿捕して海上で 「弱腰」から「見せしめ」に
中国漁船を砲撃、船員1人死亡 インドネシア海軍

インドネシア側が、このように強硬手段に訴えてきたなかでの、今回の中国公船による体当たりと漁船奪取です。

さらにこうした水産資源の乱獲のみならず、中国は東ナトゥナのガス田までも狙っているとされています。このガス田はナトゥナ諸島の200海里のEEZ内に位置しており、57兆立方フィートのガス埋蔵量があると見られています。

【社説】インドネシアによる中国への挑戦

インドネシアは、中国の侵略行為が続けば、かつてフィリピンが南シナ海での仲裁手続をオランダのハーグの仲裁裁判所に申請したように、国際司法機関に訴えるとしていますが、もしそうなれば、中国が猛反発することは明らかでしょう。これは南シナ海問題がインドネシアにも拡大することを意味します。

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