日本でも約50万人が罹患していると言われる関節リウマチですが、その根本的な治療法は見つかっていません。そんな病に野菜中心の食事が効果を発揮するとの研究結果が発表されました。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、スウェーデンの研究者の報告が紹介されています。
菜食主義は、関節リウマチ患者以外にも有益
関節リウマチ患者数は、世界で2,000万人が悩んでいる自己免疫疾患です。今のところ抜本的な根治療法はなく、対症療法に頼っているのが現状です。
さて、ナッツ類、ひまわりの種、果物、野菜などのベジタリアン食(菜食主義食)は、関節リウマチ患者さんの心臓発作等の予防に有効であることが、スウェーデンの研究者により明らかにされています。これはカロリンスカ研究所のJohan Frostegard氏らが明らかにしたもので、関節リウマチ学会誌the journal Arthritis Research and Therapyに報告されたものです。
研究では、グルカンを含まないベジタリアン食を摂っている38名のボランティアと、ベジタリアン食とはいえないものの、バランスのよく取れた食事をしている28名のボランティアについて、1年間にわたってその影響を調べました。その結果、ベジタリアン食の人では、CRP(体内で組織の損傷や炎症、感染症に反応して放出されるC reactive protein、急性期蛋白)のレベルが低下しており、心疾患のリスクも低くなっていることが判りました。また、悪玉コレステロールのLDLレベルも低下していたそうです。
ちなみに、LDLは免疫活性を必要以上に強める作用があることが示唆されており、自己免疫疾患の人には要注意のものです。
以上の結果から、リウマチ患者さんが罹りやすい心臓発作や狭心症、動脈硬化などの改善に役立つと述べられています。
ちなみにこの結果は、以前報告された、関節リウマチ以外の人を対象とした、「ベジタリアン食が血圧やBMI値(body mass index)を下げて循環器系疾患になりにくくさせる」、との結果とよく一致しているそうです。
ということですので、関節リウマチでお悩みの方だけでなく、健康維持全般に効果がありそうですので、野菜の多いベジタリアン食を!!
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