このような世界戦略をしていきたい米国としては、最初の「15パーセント以上の利益を毎年出し続ける」という現地報告書が大事になる。ウソの報告書を審査パスさせて予算獲得にもってゆくためには、報告書の作成者が、博士などの立派な学位を持っている人であることが大事になる。
つまり、学位などというものが威力を発揮するのはこういうストーリーの中においてである。もし、その現地報告書が内容にも分析にも問題ない正しいものなのだとしたら、作成者が立派な肩書きをもっていなくてもオーケー。ウソの報告書だからこそ、偉い人の肩書きが必要とされる。偉い肩書きの人の報告書なので、空気を読めない優秀な下っ端係官とかが内容を再チェックなどしないで審査をパスさせられる。
もし、15パーセント利益を確保できなくても、悪いのは偉い人の書いた報告書ではなく、15パーセントを達成できない現地スタッフや業者だ、ということになる。
偉い人は、こうして数か国に及ぶ実績を積んでゆき、もっと偉い人になる。もっと偉い人になってくれた方が、その偉い人の書いた都合の良い数字の報告書は、もっともっと簡単に審査を通過するようになって予算を獲得できるから、少数の都合の良い人間に実績と学位を集中して持たせる。もっともっと偉い人になってしまった人には、誰も反論できないし、反論しても、立派な肩書きの前にはじき返されてしまう。なので、こういう戦略コンサルタントさんは、1人でたくさんの学位を持っていて、一行実績プロフィールとなる一文をたくさん持っていることが多い。
さすが、米国支配層は、学位や資格などの肩書きの使用方法を心得ている。正しいことを言うためには肩書きなんか必要ない。肩書きを必要としてるのは、ウソの報告書。ということは、立派な肩書きを欲しがる人って、どんな人? ウソで生きてゆきたい人?
いやいや、AならばBであるが成り立つからといって、BならばAであるが成り立つわけではない、っていうのは、高校数学だよね。
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著者/加藤健二郎
建設技術者→軍事戦争→バグパイプ奏者、と転身してきてる加藤健二郎の多種多様人脈から飛び出すトーク内容は、発想の転換や新案の役に立てるか。
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