「日本はもっと金を出せ」トランプは他国にどんな無茶振りをしているのか?

 

トランプの「イスラム国」(IS)対策

次、BBC News 4月28日から引用してみましょう。

「イスラム国」への対応

 

トランプ氏は、自身の政権の下では過激派組織「イスラム国」(IS)が掃討されるのは「時間の問題になる」とした上で、「彼らにそれがいつかは教えないし、どうなるかも言わない」と述べた。

 

同氏はこれまで、ISが掌握する石油資源を奪い、「ウオーターボーディング」と呼ばれる水責めなど厳しい尋問方法を使うと述べていた。ただし、27日の演説ではそこには触れなかった。

 

トランプ氏は演説で、「過激なイスラム主義の拡散を止めるのが米国、そしてもちろん世界の主要な政策でなければならない」と語った。さらに、過激主義と戦うため同盟国と緊密に協力するとした。

IS」ですが、実をいうと、プーチンロシアの空爆ですでに壊滅的打撃を受けています。なぜでしょうか? アメリカは、1年以上空爆をして、ISの「石油インフラ攻撃」を一切しなかった。ところが、プーチンは、遠慮なくISの石油インフラを空爆し、「資金源」を断つことに成功しています。つまりトランプは、すでに「ほぼ掃討されたIS」について、「私が大統領になればISを壊滅させる!」と言っている。少し狡猾です。

ISですが、主にシリアで弱体化した彼らは、難民に紛れて欧州に移動しています。ですから、シリア、イラクのISは衰退しましたが、欧州のISは逆に増えている。

NATO加盟国は、「もっと金を出せ!」

トランプ氏は、北大西洋条約機構(NATO)参加国と新たな協議を開始し、組織改革や米国の拠出金の「リバランス(再調整)」を進めると語った。
(同上)

「リバランス」というと、わけわかんないですが、要は、「NATO加盟国はもっと金を出せ!」ということですね。とは言え、欧州経済も苦しい。結局、「ドイツはもっと金を出せ!」という話になるでしょう。

ロシアとは、「和解」「協力」

さらに、ロシアと協議して、イスラム過激主義への対応で合意点を探る意向を示し、「ロシア人には論理が通じないと言う人もいるが、本当かどうか確かめるつもりだ」と述べた。
(同上)

2014年3月の「クリミア併合」で最悪になった米ロ関係。実をいうと、米ロ関係はすでに和解」「協力」に向かっています。ウクライナ内戦は、2015年2月の「ミンスク合意」で事実上終結している。

米ロは、共同で、イランの核問題を終わらせた(2015年7月)。米ロは、共同でシリア内戦を終わらせた(2016年2月)。ここで、トランプさんは、「オバマ路線」を「継承する」と言っているのですね。

ただ、オバマは、表向き「プーチンと敵対している」ことになっている。トランプは、堂々と「プーチンと協力する!」と宣言している。それで、ロシアメディアは、「トランプ支持一色」になっています。

中国とは「関係改善」

中国については、「(中国は)強さへに敬意を払う。我々は今、経済的に利用されるのを許しているから、彼らの敬意を失っている」とし、「中国との関係を改善する」と述べた。ただ、詳細は語らなかった。
(同上)

日本人が最も関心を持っているのは、トランプの「対中政策」でしょう。しかし、詳しい話はしなかった。もしトランプさんが中国との和解を目指すなら日本も同じようにする必要があります(アメリカは、「梯子を外す」のが得意。例:グルジア、ウクライナ、サウジ、イスラエルなど)。

先走って中国を挑発しないよう、気をつけましょう。

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