【書評】2049年に達成か。中国が米国に仕掛けた「100年越しの罠」

 

日本はどう対処するのか

ピルズベリー教授は、日本に関しては次のように語っている。

中国のマラソン戦略が実行可能かどうかを測る試金石となるのは、日本が西の領海でますます攻撃的になる中国にどう対処するかということだろう。

 

少なくともこれまでの20年間、中国政府は、ライバル国(この場合は日本)のタカ派を卑劣な手段で攻撃するという戦国時代の戦略を推し進めてきた。日本を悪者にする作戦をアジア全域で開始し、日本国内の聴衆にもそのメッセージを浴びせた。

(p 4,275)

我が国は「100年マラソン」との戦いの最前線で、中国と直接、対峙している。しかし、我が国の弱みは、中国の使う「軍国主義」プロパガンダに乗って、野党や左翼マスコミがいまだに100年マラソンの擬装を支えている事だ。敵国の国論を分裂させる「心理戦」が、孫子の兵法の1つなのだ。

まずは中国が「100年マラソン」に勝ったら、どのような世界になるのか、日本国民はよく知るべきだ。その姿は、現在の中国内の事実を見れば明らかである。

真実を語る民主派や報道記者、宗教関係者は投獄され、テレビやインターネットも最先端のIT技術による検閲を受け、チベット・ウイグルなどの異民族は搾取・弾圧され、民衆は環境破壊と低賃金に喘ぎ、党や政府、国営企業の幹部が汚職に励む。

我々の子孫をそのような世界に住ませたくなかったら、まずは我々自身が、中国の「100年マラソン」という野望の正体をよく見極めなければならない。

文責:伊勢雅臣

image by: Shutterstock

 

Japan on the Globe-国際派日本人養成講座
著者/伊勢雅臣
購読者数4万3千人、創刊18年のメールマガジン『Japan On the Globe 国際派日本人養成講座』発行者。国際社会で日本を背負って活躍できる人材の育成を目指す。
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