自分を殺せ。弁護士がそっと教える「交渉は質問が7割」の法則

 

交渉の前に、金額的に、どのような条件であれば合意する意思があるのか、相見積をしている競合他社はいるのか、契約をまとめたい時間的期限はあるのか等々、こちらが知っておきたい情報はなかなかつかめません。それらを、交渉の限られた時間で聞き出すのですから、自分がしゃべりまくっている場合ではありません

相手の情報を一つでも多く引き出すため、質問をする必要があります。もちろん、相手が交渉慣れしていればしているほど、重要な情報は簡単には答えてくれません。ですから、正面からの質問だけではなく、多くの方向から何度も質問することもあります。相手の答えぶりから、だいたいのラインを想像することも必要になります。

また、質問するうち、相手の頭にもなかった情報が引き出されることもあります。例えば仕事の発注先が「○○円以下の料金なら絶対に請けない」と考えている場合であっても、多様な角度から質問をしていくうち、支払時期が早ければ請けられるということがわかったり、今回は安く受注しても、別の大きな仕事につながるのなら譲歩できることがわかったりすることがあります。

交渉が上手な人、慣れている人は、相手の多様な情報を引き出すことの重要性を認識していますので、自然に質問が増えていきます。ですから、当の本人は質問を意識的に多くしているわけではないことも多いでしょう。

逆に、交渉に慣れていない、苦手意識を感じている人は、交渉に臨む前から「今日は、7割くらいは質問するぞ」と考えて臨むのがよいでしょう。それが、「交渉上手」になるための第一歩となるかもしれません。

「質問は俺がする」(ゴルゴ13)

今回は、ここまでです。

image by: Shutterstock

 

弁護士谷原誠の【仕事の流儀】
人生で成功するには、論理的思考を身につけること、他人を説得できるようになることが必要です。テレビ朝日「報道ステーション」などでもお馴染みの現役弁護士・谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。
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