プロ野球は「2軍選手」をどう扱ってるのか?知られざる「昇格」事情

 

「調整」ライオンズ・岸孝之…故障から復帰してまずはイースタン公式戦

ライオンズのエースである岸孝之は、今季の年俸が2億5000万円プラス出来高払いと推定されている。

10年目の今季も開幕当初から先発ローテーションを任されていたが、故障があり、登録を抹消されていた。その岸が1軍復帰を期して選んだマウンドは、イースタンリーグの公式戦。

6月1日の西武ドームでのベイスターズ戦で先発すると、まずは3イニングを投げパーフェクト投球、6奪三振。中6日で先発した西武第二球場でのイーグルス戦では5.2回を投げて1失点で、勝利投手になっている。

イースタンリーグの、300人にも満たない観衆の中で、実戦でのコンディションをととのえている岸孝之。「調整」の最たる例だろう。

「復活」スワローズ・由規…5年ぶりの1軍登板を目指して

仙台育英高校からドラフト1位でスワローズに入団し、08年からプレーしている由規。2010年には12勝を挙げ、1軍通算では26勝している右腕。1軍での最後の登板は、11年の9月。

右肩の違和感がとれず、ファームでも出場できないまま時は過ぎ、ようやくマウンドに復帰したのは14年6月11日、ヤクルト戸田球場でのイースタンリーグ・チャレンジマッチ、フューチャーズ戦。じつに792日ぶりの登板となった。

その後も違和感を拭えずに定期的な登板ができず、ついに今季は育成選手契約となり、背番号121をつけて、復活にかける日々を送る。

今季はここまで8試合、33イニングを投げて2勝2敗、防御率4.36。例年よりも順調に登板数を重ねているが、支配下選手登録期限は7月末。

「育成」や「調整」というよりは、育成契約になったドラ1投手の「復活」をかけた戦いが、そこにはある。

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