消費税の還付金で「トヨタがボロ儲け」は果たして本当なのか?

 

一方、トヨタ自動車は、組み立てた自動車を、国内外で売りますが、国内で売る4,000億円には320億円の消費税がかかります。トヨタ自動車は、その消費税を自動車の購入者から徴収しますが、電装から必要な部品2,000億円分を購入した時に(電装を通して国に支払った)消費税160億円を控除することができるので、国に納めるのはそのうち160億円だけです。

さらに、残りの売り上げ6,000億円は輸出であるため、その部品3,000億円を電装から購入した際に(電装を通して国に)支払った240億円を還付金として国から受け取ることができるのです。

消費税の徴収の仕組みは、二重課税を避けるための仕組みがあるために一見複雑になっていますが、実は良く計算されています。

最終消費者(自動車をトヨタ自動車から購入した人たち)は、合計で320億円の消費税を支払っています。

電装はトヨタ自動車から受け取った400億円をそのまま国庫に納めているので、消費税に関しては、差し引きゼロです。

トヨタ自動車は、消費者から320億円の消費税を受け取ってはいますが、そのうち160億円はすぐに国庫に納めています。さらに電装から部品を購入する際には400億円の消費税を支払っていますが、還付金として240億円を受け取っているので、320-160-400+240で、やはり消費税に関しては、差し引きゼロになります。

は、電装から400億円、トヨタから160億円の消費税を納税されていますが、還付金としてトヨタに240億円支払うので、差し引きでは320億円の消費税を受け取ることになります。

つまり、差し引きで考えると、最終的には、国内で販売された4,000億円の自動車にかかった320億円の消費税だけが国庫に残り、トヨタ自動車も電装も、消費税に関して言えば、差し引きゼロで損も得もしていない仕組みになっているのです。

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