小池知事の鼻を明かせ。私怨でIOCを動かす森元首相のノミの心臓

 

コケにされっぱなしの森喜朗が、そのまま黙って引っ込んでいるわけはない。

「IOCで決まったことをひっくり返すのは極めて難しい」「独断専行したら困る」「われわれの立場は東京都の下部組織ではない」。

森は感情をつとめて抑え、冷静さを装っていた。だが、話の内容は厳しい。これまで五輪に関して重要なことは何でも自分を通さなければならなかった。小池は全くそれを無視している。

小池vs森のバトル。メディアは小池側の視点から報道することが多いが、森の心の内側を想像してみると、また違ったニュースの味わいがあるのではないか。

ボート会場の変更案が出たのが9月29日。それより前の9月13日に、小池知事が村井嘉浩・宮城県知事を都庁に招き、都政改革本部の上山信一・特別顧問をまじえて三者会談をした。そのニュースが報じられると、大会組織委員会は「不透明なやり方だと激しく批判した。「不透明」のレッテルをはられている組織委が小池知事に「不透明だ」と反撃したのである。

大会組織委員会は14日、東京都の小池百合子知事に関して「事前に競技団体の意見を聞かず、水面下で他県知事とだけ話し合うのは、極めて不透明なやり方ではないか」などとする声明を出した。また、「会場変更を主張するなら、都知事自ら日本オリンピック委員会、競技団体など国内関係者と調整を行い、(関係機関のトップで構成される)調整会議で合意を形成する必要がある」と求めた。
(10月14日産経)

組織委会長の森喜朗と事務総長、武藤敏郎(元大蔵事務次官)の怒りが噴き出したような声明だ。

どうすれば小池の鼻を明かすことができるのか。鳩首協議している最中、IOCのバッハ会長から情報が飛び込んできた。文科省などが主催して10月19日から日本で開催する「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」に出席するバッハ会長を、森ら組織委メンバーも待ち受けているが、そのスケジュールに東京都が割り込んで小池・バッハ会談を開くというのである。

組織委の頭越しに小池が会長と会う。そこまでやるのか、とこれまで以上の怒りが湧き上がっただろう。が同時に、小池に一泡吹かすチャンスにできるのではないかと森とその周辺は考えたかもしれない。

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