小池知事の鼻を明かせ。私怨でIOCを動かす森元首相のノミの心臓

 

組織委の職員約250人を前にバッハ会長は、リオ五輪閉会式の「安倍マリオは、事前に森から耳打ちされていたと明かした。「安倍マリオ」演出が森の発案だという報道はあったが、どうやら間違いないようだ。森が「墓場に持っていこうと思った秘密をバラされた」とジョークで返したあたり、いまも首相を動かす人間であるというアピールなのだろう。そこには「小池などになめられてたまるか」という思いも隠されていたのではないか。

この儀式のあと、森会長がバッハ、コーツというIOCのツートップの中央に位置して記者会見にのぞむという演出も加えられた。

「IOCの皆さんが希望されていることを、我々が一致してまとめていく」

この森らしい発言の裏には、会場選定の実権を握るコーツ副会長が承認した「海の森」案を実現できるようがんばる、IOCのツートップのメンツをつぶすようなことはしないから任せてくれ、という決意が読み取れる。

このあと森会長は、バッハ会長らに最大級のサービスを用意していた。安倍首相さらには天皇陛下との会談の設定だ。元首相の森が組織委の会長でなければできなかった芸当かもしれない。森との会談では森を大きく見せることにバッハが協力し、森はバッハを大きく見せるために安倍首相だけでなく天皇陛下に会う段取りまで整えたのだ。

バッハ・森の協力ラインが権威性を帯びることによって、相対的に小池知事の存在が小さく見える。森のシンプルな脳細胞はそう判断したのだろう。

バッハ会長は安倍首相との会談で、福島県が要望している野球やソフトボールの開催を「選択肢の一つだ」「例えば野球の日本チームの第1試合を被災地でやることは非常にパワフルだ」などと、小池案とは別の復興五輪のあり方を示した。

小池知事が「長沼ボート場は復興五輪にふさわしい会場」と言っていることを逆手にとって、IOCのペースに引き込もうという狙いがあるのかもしれない。ただ、その真意はともかく、復興五輪のあり方を、国のトップとIOCをの会長が話し合ったことに深い意味がありそうだ。

組織委、政府、IOCが三位一体となり、その重量感をもって東京都との四者協議にのぞむ態勢がつくられたということにならないだろうか。こうなると、さすがの小池知事も考え込まざるを得ない。

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