GDP世界2位でも、未だに石炭に依存せざるを得ない中国の現実

 

台湾の蔡総統がトランプ氏と電話したからといって、何の問題があるでしょうか。台湾ではもう石炭で暖を取っていません。きちんと電気やガスを使用する暖房を使えるようなインフラ整備国です。環境汚染にも配慮し、工業や産業用の石炭を使用する際には適切な措置を取って、大気汚染防止に努めている先進国なのです。中国とは一線を画していることを直視するべきです。

中国が抱える大きな課題の一つに貧困があります。僻地の貧困層には未だに政府の手は届かず、生活保護という制度はあっても、それを受給するためには賄賂が必要だとも言われています。賄賂を出す余裕があるなら、生活保護は必要ないでしょう。最近、甘粛省の貧村では貧困に耐えられず子供4人を含める一家6人が無理心中したという事件もありました。

貧困と戦う中国、それでも救われぬ人々

習近平政権は貧困撲滅を謳い、貧困対策の成果をメディアで宣伝しています。貧農を救った政府支援の話など、メディアには夢のような話が踊っています。それらが本当であることを祈るしかありません。これ以上、罪のない人命を無駄にしないためにも、中国はしっかりと統治できる国土範囲を自覚するべきでしょう。

中国は、エネルギー資源として今もなお石炭に依存しており、PM2.5の元凶となっています。石油に関しては、輸入国に転落してからすでに10数年も経過しており、エネルギー資源のみならず食糧資源さえもシーレーンに頼らざるを得ない状況です。

そして、目下世界の7つのシーレーンを制しているのはアメリカです。アメリカは日本のみならず、中国の生命線まで制しているのです。中国が「米帝」にいくら抵抗しようとしても、弱みがあまりに沢山ありすぎて負け犬の遠吠えでしかありません。「アメリカは張り子の虎だ」と口で非難しても、その「張り子の虎に首根っこを押さえられているのが中国なのです。

ことに、今の人口は13億人を遥かに超えています。世界の資源をすべて中国に集中させても不足するほど、中国は生態学的な問題を抱えています。中国の四最と言われるものに、「資源最小、人口最多、欲望最大、道徳最低」というのがあります。石炭問題は氷山の一角にすぎません。

image by: junrong / Shutterstock.com

 

黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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