【映画野郎】観る価値ある?お正月話題の3作を斬る激辛トーク!

 

原口:で、ストーリーというか展開について。クライマックスの衝撃性はたしかにあったんだけど、それにしてもチームローグ・ワンが集まるまでは退屈じゃなかった?

KANTO:そうなんです。この映画、悲しいかなスイッチが入るまでは本当に退屈でやりきれ無かったね。フォースの使えない人たちの話だと限界があるのかと。

小川:「序盤が退屈」という声は実は多少聞こえましたが、序盤は戦闘シーンがチアルート登場まで少ししかないというのもあったし、チーム「ローグ・ワン」の紹介として中盤まで来たという展開に賛否がありましたかね。

原口:あと残念だったのは、初登場の人物ばかりだから難しかったのかもしれないけど、キャラクターの立っていない人物が多くて、キャラ面で魅力に乏しかったよ。唯一良かったのは、香港のアクションスター、ドニー・イェン演じる盲目のチアルートかな。あの中では一番見ている役者だし、アジア人だし、やっぱり肩入れしちゃうな。

KANTO:ヒロインのジン・アーソは流石に分かりやすいけれど、他のキャラはドロイドを除いて今でも名前が覚えられない。チアルートは、フォースの力を信じて念仏まで唱えるけど、どんなに心と身体を鍛えても「ジェダイ騎士」の才能を持ってないからフォースは使えない。非常にかわいそうなキャラクターとして描かれていてホロリと来ます。まるで『七人の侍に出てくる菊千代のような運命を背負ってますよ。

原口:そうそう、しかも格闘シーンの立ち回りがアクションスターらしく決まっていて、アクション面では一番かっこよかった

小川:原口さん、KANTOさん、何をおっしゃいますか! 今回のチーム「ローグ・ワン」でリーダー的存在のキャシアンを演じた彼はメキシコの大スターのディエゴ・ルナですよ! それに反乱軍のソウ・ゲレラなんか『ラストキング・オブ・スコットランド』のフォレスト・ウィテカーだし、何よりもジン・アーソの父ちゃんが「デンマークの至宝マッツ・ミケルセンじゃないですか! 『007 カジノ・ロワイヤル』のル・シッフルを演じた彼ですよ。ということで、ミニシアター好きには彼らの活躍を見てるだけで味がありましたよ。

原口:それ言い出したら、クレニックのベン・メンデルソーンもいい役者だけど、映画野郎目線で見るならやっぱり、あのドニー・イェンがチーム「ローグ・ワン」のメンバーとして活躍してるってのがダントツに嬉しいでしょうということで。それにフォレスト・ウィテカーとマッツ・ミケルセンって、詳しく言えないけど、途中退場けっこう早いのがガクっときた

KANTO:名優が出ているのに、前半がつまらない不甲斐なさね。

小川:そうだね、チーム「ローグ・ワン」という名の多国籍軍が出るまで長かった。今回のマッツ・ミケルセンって2、30年前ならルトガー・バウアーとかウド・キアーの「北欧の帝王ポジションなんだけど、良く考えたら最初ちょっと出ただけだしね。「デンマークの至宝」を活かしきれてなかったかも。フォレスト・ウィテカーももうちょっと暴れて欲しかった。あとね、これ、2017年の1月以降のアメリカなら多国籍軍というかはみ出し部隊にメキシコ枠がより雑になるか、なくなるね。その代わり、中国やロシア枠が増えるよ。あと、ソウ・ゲレラもエド・ハリス辺りにしたりね。

KANTO:その代わり、中盤からある悪役キャラクターが出てきて、急に映画が引き締まった。本作がエピソード3.5と言いたい理由もそれなんだけどね。さらに、クライマックスには映画を観てない人も知ってるキャラが本当の怖さを発揮してくれたし。

小川:ああ、あの帝国軍の方かな。終盤はみんなはっ!となっただろうけどね。

原口:アクションについてもちょっと否定的で申し訳ないけど、銃撃戦メインで、『ドンブリ』『バイオ』と比べると肉体性に乏しいというか、痛みが感じられないものが多くて、微妙だった。まあ、アクションの肉体性に乏しいのはこれまでのスター・ウォーズはみんなそうかもしれないけど。だとしたら、もっと空中戦とかメカをバリバリ使ったものとか、ライトセーバーの立ち回りとか派手なものがもっといっぱい欲しかったかな。

KANTO:スター・ウォーズのライトセーバー戦を期待している人にはガッカリなのは仕方ないかもしれないですね。僕は逆にエピソード4・5・6に出てくる空中戦や地上戦支持派だから、旧三部作のエッセンスを上手に盛り込んでくれたので、そこだけで大満足でした。とりわけ、カット割りやスピード感も昔ながらの見せ方で。

原口:全体の雰囲気や演出を旧三部作に寄せているところが懐かしくていいと思うか、もっさり古臭いと思うか、意見は分かれるところかもね。

KANTO:うーん 懐かしさとはちょっとニュアンスが違うかな。正しいスター・ウォーズの描き方に徹した結果に思う。

小川:ところで、今回上映スタート時と終映後に拍手とか歓声はありました? これ、わりと『スター・ウォーズ』シリーズのお約束だと思いますが。

原口:自分は普通に平日の新宿ピカデリーの2Dで見たのもあって、半分くらいの入りだったし、拍手とか歓声とかもちろんなかったよ。週末とかファンの集まる時間帯だったら違うだろうけど。

小川:意外ですね。

KANTO12月16日の品川IMAXでは拍手してましたね。僕は興奮し過ぎて拍手するのも忘れたけど。

小川:ボクは15日24時の最速上映で観て、ダース・ベイダーやストーム・トルーパー兵のコスプレイヤーがいる中で観て、ルーカス・フィルムのロゴが出ただけで歓声がありましたが、今回のオープニングテーマがジョン・ウィリアムズのいつものじゃないから、なんかふわっと始まった感じがありましたね。で、終わった後も拍手、と。

原口:やっぱり早いうちに見とけば良かったかなー。

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