【映画野郎】観る価値ある?お正月話題の3作を斬る激辛トーク!

 

小川:お次は『バイオハザード:ザ・ファイナル』ですけど、観る前は正直期待してませんでしたけど、意外と良かったですね。

原口:良かった。前作がかなりイマイチだったからそれでハードルが下がっていたのはあったかな。

KANTO:お二人には申し訳ないですが、冒頭から退屈で、終始イライラしながら観てました

原口:そ、そうなの!? 冒頭の空飛ぶモンスターとのバトルから楽しかったけどなー。

小川:って言うか、まさか『バイオハザード』シリーズに『マッドマックス2』、若しくは『マッドマックス/怒りのデス・ロード』のような装甲車・トレーラー上でのバトルや目的地に向かうプロットを大胆に取り入れるとは思わなかった。

原口:面白いよね。最近の流行りを大胆にパクってくる節操のなさがいい。終盤イアン・グレン演じるアイザックス博士との闘いで、「格闘予測ソフト」で何回か武器の使い方をシミュレーションするシーンがあるじゃない。あれデンゼル・ワシントンのイコライザーのパクリか? って思って笑った。

小川やりたかったんですよ、ポール・W・S・アンダーソンが。最後だし、やりたいことやっちゃえ的なね。

原口:『バイオ』と『ローグ・ワン』って、今期の正月映画の2大アクションという並びではあるけど、『ローグ・ワン』はもともとスター・ウォーズだから「A級」なところを期待されているのはあるだろうけど、『バイオはゾンビ映画だからB級なんですよ。ジャンル映画。娯楽作。感動とかを期待するんじゃなくて、どれだけ楽しませるかっていう、そのB級な作りを徹底しているのがいいと思う。あと名場面的なところでは、ゾンビ(アンデッド)たちを業火で燃やすシーンとか、あの大量のゾンビマラソンシーンもかなり良かったな。豪快でいい。

小川:あれは見てて笑った。装甲車とゾンビ達の位置が絵的に昔のアメリカ横断ウルトラクイズのマラソンクイズみたいでね。

原口:CGを使うような派手なシーンだけでなく、意外と格闘面もしっかり見せ場があったのも良かったね。イ・ジュンギ(かな?)とのタイマン勝負もけっこうシビれた。

小川東洋アクションキャラもしっかり入れてね。

原口:そう考えると、ミラがいかにアクション女優として成長したかも見て取れる。子供産んで、年も取っているのに衰えが感じられない。

小川:あ、ミラに関しては今回熟女の美魔女として楽しみましたね。悪く言えば老けちゃいましたけど、いい老け方をしたな、という目で見てましたね。ある意味、熟女を楽しむ映画でもありましたね。

原口:そうそう、いい歳の取り方をしている。そういうジャンルで見ると、「美魔女アクション映画」の最高傑作かも(笑)。

小川:あとハイブに入った後の数々の仕掛けも良かったですね。

原口:過去作にも登場した、ベタなトラップが多いんだけどね。レーザーカッターのトラップとかね。でもまたそれが総集編というか集大成な感じで良かったよ。トラップが次々とやってくる、ピンチの連続の仕掛け方が目まぐるしくて、その詰め込みぶりが良かった。

KANTO:それと逆の感想になりますが、この映画、動きが速すぎるとの画面が暗過ぎて何をやってるのか全然見えないんですよ。カット割りが多いのは、マイケル・ベイの『トランスフォーマー』シリーズもそうですが、あれは緩急があってそこそこバランスが取れていた。逆に、本作はほとんどのシーンのカット割りが速過ぎて、起きてることがわからない。どんな形状なゾンビに襲われたのか。あるいは勝ったのか負けたのかさえ分からない時がある。ハリウッド映画は、いつから観客に異常な動体視力を求めるようになったのかと。終始バカにされてる気がして、楽しむ以前の問題だった。まあ、他にも前作と全然つながってないストーリー展開とか、不満しか上がらないので少し黙ってますね。続きをどうぞ。

小川:確かに対ゾンビとのバトルシーンは早すぎて雑だったと思う。

原口:見せ方が雑かなと思うところはあったけど、『トランスフォーマー』とかで鍛えられているところもあるし、それほど気にならなかった。前作までの変にスローモーな演出よりも断然いいと思ったな。今回の『バイオ』が良かったのは、アクションと展開のテンポをとにかく速く変えたところだと自分は思ってたんだけど、そこがKANTOさんと真逆な感想になっていてビックリしている。今年(2016年)は『シン・ゴジラ』もカット割りや台詞が速くて、そこが面白かったところだったし、『この世界の片隅に』もかなりカット割り速かった。今年はそういう目まぐるしい演出がトレンドじゃないかと思ったりしてる。

KANTO:『シン・ゴジラ』は展開が速いように見えて、見せ場はかなりしっかり描いていたと思いますよ。まあこのシリーズ、そもそもゲームに出てこないアリスが主人公の1作目がやはりと言うか。すごくつまらなくて。ようやく、ジルやクリスと言ったゲームのキャラが出てきた2作目から面白くなって、その集大成の5作目で盛り上がっての本作だったのに、また1作目に回帰した感じで。クレアだけはいたけど、ジルもクリスも居ないことになってたり。それもゲームのファンとしてものすごくガッカリでした。シリーズが長引くと冗長になるのはよくあるけど、今回はストーリーから絵作りまで、全てにおいて感心できなかった。今年の最低映画『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』を凌駕した感じ。楽しまれたお二人が羨ましい。はい。僕は無視して続きをどうぞ。

小川:なるほど。確かにボクはゲームを全くやらないから逆なんですよね。1と本作だけで十分。謎が解けた。楽しみ方が真逆なのは整合性がありますね。

原口:うーん、ゲームは初期のはやったけど、映画とゲームは違ってても面白ければオッケーなタイプなので。全然見方が違っていてかみ合ってないかもしれないけど、『インデペンデンス・デイ:リサージェンスが最低映画なのは同意。(笑)

小川:若干、これまでの『バイオハザード』シリーズ作を見ないと分かりにくい所も、というか最初のバイオハザードだけ見とけばいいですかね。

原口:前作の設定をいきなりリセットしているのもあるし、最初だけでも問題ないと思うけどね。でもシリーズ6作続けて、一応ちゃんと完結させたところが美しいよね。まとまらず中途半端に終わるシリーズも多いのに。これは「アリスの物語」でもあるけど、シリーズの敵役のアイザックス博士の集大成でもあったかな。それを考えても感慨深かった。ウェスカーのヘナチョコな最期は笑ったけど。

小川:アイザックスのおじさんも良かった。正直、ちょっと強かったかなとも思ったけどラストならありかな、と。

原口:あと最後に日本側の唯一のキャスト、ローラに突っ込んでおきますか。まあネットでも散々話題になってますが。

小川:おそらく、ボクが僅かながら『バイオ』を3番目にした最大の理由がローラかな。もうね、邪魔で邪魔で。あそこだけ、今は亡きフジの「新春かくし芸大会レベルでね(笑)。まあ、でも笑いましたよ。彼女がスクリーンに出る度に。

原口:日本でTVドラマにも出ていなかったし、本職がモデルさんだからねえ。

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