【映画野郎】観る価値ある?お正月話題の3作を斬る激辛トーク!

 

小川:ここまで『ローグ・ワン』と『バイオハザード:ザ・ファイナル』を話してきましたが、これだけでなくやはり『ドント・ブリーズ』もこの年末年始の映画では外せないかな、と。

原口最高だった。まあいち早く、町山智浩さんがベタ褒めしていたのがあったから期待値も高かったんだけど、期待に違わぬ出来の良さ。

KANTO:ポスターに20年に1本の恐怖の作品と銘打ってますが、毎日のようにホラー映画を観ていたら、まあ普通でしたね。ただ、発想は新しくて意外なところで爆笑必至だったのは評価に値します。

小川:「20年に1本」は確かに言い過ぎ。それでも『ドント・ブリーズ』、要は逆『暗くなるまで待って』で弱者であるはずの盲目の人が元軍人でバカ強いというね。

原口:この逆設定はアイデア賞ものだよね。普通、盲目の人間が強いなんてあり得ないから。アップになったあの目の感じが、人間ではない何か、モンスターっぽさを出していて、恐怖をあおる。

小川:ただバカ強いだけでなく、盲目の老人に(具体的には書かないけど)変態要素があって、ちょっと深味が増しましたね。

原口:本当にゲロ吐きそうになるくらいの変態で(笑)。ネタバレになるので詳しく言えないけど。あの変態展開が俺たちの予想を超えるんだよね。そこで、老人と泥棒たちの見方が変わるというか。そこがドンブリのすごいところ。

KANTO:あの展開は予想出来なかった。これぞ20年に1本の衝撃かも。

小川:あと侵入する側と盲目の老人のバッグボーンにデトロイトの衰退や湾岸戦争という社会的背景を入れた辺りも良かった

原口:単純なB級スリラーかと思いきや、キャラクターのバックボーンをしっかり描いているのが深いね。脚本がとにかく素晴らしい。善悪がはっきりしなくなる部分がジャンル映画っぽくなくて、そこがイヤって人もいると思うんだけど、そこがでも良かったと思う。

KANTO:サム・ライミがプロデュースしているだけに、ヒロインの顔が『スペル』の主人公に良く似てたね。でも、僕はこのヒロインに全く感情移入出来なかった。予告編でもバラしているけど、彼女はそもそもが泥棒なわけで、人の住居なは不法進入している時点で悪役の立場にある。怖い目にあっても「泥棒だし、自業自得じゃん」と言う冷めた目線で観てましたよ。ある意味それが現実的なのかも知れないけど。

小川:そこなんですよね。酷い目にあっているけど自業自得。しかしながら、その自業自得サイドの3人の中でも自業自得の度合いが強いヤツとそうでもないヤツがいてね。

原口:泥棒なんだけど、応援したくなるという難しい立ち位置のヒロインを上手く造形したと思ったな。役者ではスティーヴン・ラングの怪演も素晴らしかっんだけど、個人的には、ヒロインのロッキーを演じたジェーン・レヴィちゃん可愛かった。アルバレス監督の前作『死霊のはらわた』にも出ているけど、もっと活躍してほしいね。B級絶叫クイーン路線もいいけど、メジャー映画でも。

小川:ジェーン・レヴィ、代表作が『死霊のはらわた』と『ドント・ブリーズ』って凄いよね。完璧にホラー女優ですね。ジェシカ・ビールの『テキサス・チェーンソー』と『トールマン』にも負けてません。

KANTO:スティーヴン・ラングって知らなかったけど、『アバター』のクオリッチ大佐なんだよね。道理で強い訳だよ。

原口:中身から離れるけど、ソニー・ピクチャーズから先日リリースがあって、ドンブリって全国でたったの33スクリーンの公開ながら、わずか10日で興収1億を超える大ヒットだって。33スクリーンでこの数字は立派。ちなみにローグ・ワンは368スクリーン、バイオハザード353スクリーンだから、10分の1以下。ちゃんと面白さは伝わっているね。年明けてからスクリーン数も増えるかも。

小川:しかしながら、某アニメ映画みたいにおそらく拡大公開しないであろう所がホラー映画の悲しさでしょうかね。拡大して欲しいなー。

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