実は損する? カード払いのポイントに隠された「周到な罠」

 

我々がお金を払うのは、商品価格を必要性と利便性の観点で思考して「お得だな」と思った場合ですが、この利便性を「財布からお金を出す手間」に絡めて考えてしまうとあなたの財布からはお金がとてもスムースに出ていくことになります。

例えば定期券などその交換対象が絞れているものに関してはその便利さを享受しても構いません。

しかしながら今まさに乱立状態の電子マネーでは、数枚のカードで小売系も交通系も全て支払いが出来てしまうから危険です。今だって四強のWAON、nanaco、Suica、PASMOの四枚を持っていればほぼ現金不要で暮らせますから便利なものです。

しかしながらそんな世界にどっぷりつかっていると、便利さと引き換えにあなたのお金はシームレスにどんどん外の世界に放流されることになります。

ではなぜこうした電子マネーや前述のアマゾンボタンでは支払いが増えるのかをもう少し深く考えてみましょう。

一つ目は上述した利便性です。支払いをカードにする事で、一々財布を開いて現金を数える必要がありませんし、かさばって重い現金を持ち歩く手間も省けます。カードなら「サッと出してピッ」で終わり。見た目も非常にスマートです。

が、これ以上に違いがあるのが現金と電子マネーがもつ目に見えない重みの違いです。電子マネーには当然物としての重みが無いのですが、それ以上に異なるのが「現金という物質に乗る持ち主の人格のような重みです。

例えばあなたの財布に入っている千円札。これはあなたの所有物ですが、同じように電子マネーの千円をあなたの所有物として感じますか? 多分感じないと思いますが、これは物質として存在しないからです。この重みの違いが「お札」を人に与える時に「贈与的な重みとなって現れます。

一方電子マネーや引き落としでお金を払うのは単なる交換」と言えます。本来買い物とは物々交換、等価交換です。アマゾンでいくら高い買い物をしても、店頭で言われる「ありがとう」は受取れません。これは買い物本来の物々交換、等価交換だからです。

が、店頭で現金支払いをする場合、現金を介すからこその贈与的な価値が乗るので、店側は購入者にわざわざ「ありがとう」をつけるんですね。ありがとうをつけないと気持ち悪いんです。

お店で服を購入すると袋を持って玄関まで送ってくれたり、美容室で髪を切ると店先で相手が見えなくなるまで見送ってくれたりしますが、こうしたプラスアルファのサービスは現金に乗っているプラスアルファの贈与分の穴埋めでついて来る物だったりします。

そもそも現金が無くなってしまえば、こうしたプラスアルファのサービスも消滅する可能性があります。というか電子で支払えれば小売店から店員さんは消えますね。そんな未来もアマゾンによってすぐそこに来ています

自動で会計、待ち時間なし アマゾンがコンビニ進出

電子決済にはこのように人格が乗りません。その為わざわざ現金支払いのような贈与的な手間が無く、電子的に高速度かつ正確に移動できるというメリットがあります。

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