実は損する? カード払いのポイントに隠された「周到な罠」

 

で、話を戻すとこの違いが「お金の貯まる支払い方」の違いその物なんですね。つまり現金は重く電子決済は軽い。ゆえに現金は出し渋りが起こりますが、電子決済はそんな事を考えずにスムースにお金が出て行きます。

「いやいや音多さん、でもカードはポイントが付くから現金よりお得ですよ!」

そうですよね。私も先日ポイント目当てでnanacoに1万円チャージしそうになりました(笑)。でもね、このポイントが更に支払いを加速させる元凶です。

「7の付く日に1万円をチャージすると100ポイント受取れます」。私もこんな張り紙を見て電子マネーに1万円を突っ込みそうになりました。が、こうしたポイントもまたお金の放流(笑)をさらに生むものです。

上述した「贈与と交換」の違いの話し。現金支払いは現金に人格が乗る「贈与」であり、電子決済はそうしたものが乗らない「交換」でしたね。ゆえに電子決済は軽いと。

が、性質的に軽い電子決済に重みを持たせるのがこの余計な100ポイントです。これこそまさには企業からあなたに対しての「贈与」なんですね。1万円しか入金していないのにチャージするだけで1万100円になる。これは1%の金利であり、銀行の普通預金金利(年率0.01%)から得ようと思ったら丸十年かかります。それをすぐに得られるわけですね。

前述したように贈与には人格や思いのようなものが上乗せされています。ゆえにそれを受け取ったあなたは無償のプレゼントを受けたことに恩義を感じ、それと同額以上のお返しを相手に戻そうとしてしまいます。つまりたった100ポイント100円を受け取ったばかりに後々数千円分の余計な出費をさせられる可能性があります。

100円の恩義をあなたの脳は忘れません。例えばそのお店を通り過ぎるたびに、「100円か…、この前もらったポイントでドーナツ一個買えるな」と計算してお店に立ち寄る事になります。で、結局ドーナツ1個では物足りず、付け合せのコーヒーやサイドメニューも注文してしまうんですね。

するとほら、このポイントはお得ではないという事になる。

心には贈与のお返しをした満足感が残るかもしれませんが、財布には無駄金を支払った事実だけが残ります

そろそろまとめに入りましょう。

じゃあ我々が「お金が貯まる支払い方」を考える際、どうすれば良いか? これは簡単で、思い切ってカードや電子マネーを処分しもう一度現金派に戻る事です。敵(企業)が仕掛けてくるのは、我々の財布からいかにスムースにお金を取り出すかだけです。その最終形態はまだまだ進化を続けていますが、とりあえず現状ではこうした電子マネーなどの引き落としシステムです。

先々暗号通過(仮想通貨)が熟成すれば、リアルマネーは消滅し、更にはカードさえ持たずに自分に埋め込んだICチップでオーダー操作が出来るかもしれません。そんな時代が来たらますますお金に重みは感じ無くなります。

そこで冷静になり振り返ってみる。それだけ便利になった所で一体なんなのかと。

買い物に行く手間や財布からお金を取り出す手間は省けても、それと引き換えに自分の手足を動かす必要が無くなり、お金がスムースに出て行くだけ。よってここで逆に現金派に戻り、更にはお金を支払うステップを長くすること出費を抑える事を考えてみます。こと支払い方法については時代に逆流するわけですね。

例えば私は財布を傷つけない為に「財布入れ」に入れているんですが、これは二次的効果として出費を踏みとどまる効果を感じます(現金を取りだす手間が増えるから)。

よって「お金が貯まる支払い方」とは、

  • 決済手段を可能な限り現金だけに絞る
  • その決済手段(現金)を取り出す手間を増やす

です。支払いのシームレス化が仕組みとして敷かれつつある現段階において、こうした現金にこだわるアナログ的な節約法はまだ数十年は使えると思います。お金の「入り」に関してはデジタルで結構ですが、「に関してはアナログを貫いた方が節約には効きます

image by: Shutterstock.com

 

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【著者】 音多秀茂 【発行周期】 ほぼ 季刊

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