中国はカネのためなら嘘もつく? 超富裕層にすり寄る習近平の変節

 

超エリート層に「取り入った」習近平

そんな超エリート層の心理を知り見事に取り入った」男がいます。そう、習近平。彼は1月17日、ダボス会議で演説し、「まさにグローバリストが聞きたいこと」を話しました。

習主席、保護主義に警鐘 トランプ新政権にらみ、ダボス会議で講演

AFPBB News 1/18(水)9:37配信

 

【1月18日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は17日、スイス・ダボス(Davos)で開幕した世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で講演し、世界が抱える諸問題の責任をグローバル化に転嫁したり、保護主義の殻に閉じこもったりするべきではないと警鐘を鳴らした。

これは、「保護主義者トランプを批判したのです。

中国は今後も「門戸を開き」、新興国がグローバル化の恩恵を受けられるよう後押ししていくと言明。同時に、トランプ氏が脱退を示唆している地球温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」を支持する意向を示した。

 

また、「世界の諸問題を経済のグローバル化のせいにするのは無意味だ」と指摘し、2008年に欧米を襲った金融危機の原因は自由貿易ではなく、圧倒的な規制不足にあったという中国の見方を強調した。
(AFPBB News 1月18日)

習近平、「中国はグローバリズムを推進していく!宣言です。トランプ大統領誕生で劣勢になっていた支配者たちは、とても喜びました。

習近平の「変身」は見事です。なぜか?

習近平は2012年11月、中国のトップになった。この時彼は、「ナショナリストとして登場したのです。彼のスローガンは、「中国の夢」。「中国を、アヘン戦争があった1840年以前の栄光ある地位に戻す」。これは、「ナショナリズム的スローガン」です。だから、グローバリストの超エリートたちは、中国から逃げ始めた。

シティやバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス・グループなどが2012年の初め以降、中国の銀行株を少なくとも140億ドル(約1兆7,000億円)相当を売却したという。

 

投資先としての中国の落日ぶりを象徴するのが、ブラジル、ロシア、インドを含む4カ国に投資する「BRICs(ブリックス)ファンド」をゴールドマンが閉鎖したことだ。ゴールドマンはBRICsの「名付け親」として新興国投資ブームを作ったが、中国が人民元を突如切り下げた時期にあたる8月12、13日の会合で閉鎖を決め、10月に別の新興国向けファンドと統合した。「予見できる将来に資産の急増が見込めない」と閉鎖理由を説明している。
(夕刊フジ 2015年11月25日)

その結果、中国経済はボロボロになってしまいました。習近平は、自らの過ちを悟り、超エリート達との和解を試みているのです。この作戦が成功し、投資が戻ってくれば、中国経済はずいぶん楽になるでしょう。

習近平は、「核なき世界」を目指す???

さて、習近平は、さらに先に行きます。

習主席、核なき世界の実現呼び掛け 国連欧州本部で演説

AFP=時事 1/19(木)3:25配信

 

【AFP=時事】(更新)中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は18日、スイス・ジュネーブ(Geneva)の国連(UN)欧州本部で演説し、各国に対し、核兵器が禁止され現存の貯蓄分も破壊される世界を目指すべきだと呼び掛けた。習国家主席は「核兵器のない世界を実現するため、核兵器は完全に禁止され、時間をかけて破壊されるべきだ」と述べた。

日本人からすると、「よくこんなウソを平気で語れるな!」ということなのですが…。中国の指導者は、「ウソも戦略のうち」ですから、平気で何十年もウソをつき続けることができます。

「核なき世界」といえば、すぐ思いだされるのはオバマさんでしょう。トランプ当選を受けて、超エリート達は、考えています。「トランプと比べ、オバマはなんと素晴らしい大統領だったのだろう…」と。

ヒラリー大統領が誕生し、オバマ路線を継承し、「グローバリズム」をさらに進める計画だった。ところが、それが挫折した。そんなナーバスな超エリート達に対し、習近平は、「俺がオバマの継承者になる!!!!!!」と手を挙げたのです。

もちろん、彼が「核なき世界」を目指すはずはなく、要は、「超エリートに都合のいい政治をするからまた投資してね!」ということです。

print
いま読まれてます

  • 中国はカネのためなら嘘もつく? 超富裕層にすり寄る習近平の変節
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け