GWに絶対いく! 水を汲む人が後をたたない松本市「源智の井戸」

 

昔から、名水として名高い源智の井戸は城下町が形成される以前から飲用水として利用されて来た。そもそもの所有者だったのは、中世以降ここに住居を構えた川辺氏。歴代の領主は井戸を汚さないよう制札を出し保護。記録上の初見は1594(文禄3)年、松本城主石川家の家老、渡辺金内の出した文書という。源智の井戸の名はその川辺縫殿之助入道玄智に由来すると伝えられる。町名にある源地もむろんここから来たのだろう。

明治以降になって、狭い囲いの中に記念の石碑が残っているが、1877(明治10)年、明治天皇後御巡幸んの際の御膳水になり、1933(昭和8)年長野県史跡指定、1968(昭和43)年には松本市の重要文化財に。

昭和の末年頃、さしもの井戸も枯れて来たため大規模な復元工事が行われ、それまでの地下水脈より更に50メートルほど深いところに水源を。現在の源智の井戸は揚水量毎分500リットル水温は平均14度前後。自噴力が強く、バルブを全開すると2メートルくらい噴き上がるとか。カルシウムとマグネシウムの含有量が多く、水質硬度113mg/Lといい、軟水の多い日本では珍しく硬水系の天然水・ミネラルウォーターである。近くにも多くの井戸があるが、より深い地下からの湧出のため他とは水質が違うようである。

市街地の井戸は、美ケ原を源とする薄川と三才山から流れ出る女鳥羽川の伏流水といわれるが、源智の井戸は更に深い水脈の水のため、槍・穂高から発する梓川水系の水ではないかという説も。

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